内容説明
つつましく暮らす若い女性が殺害された。犯人は目撃されていたが、巧妙に身元を隠し正体を掴ませない。鬱病とパニック障害に悩む刑事・倉沢は、傷ついた魂を抱えながら犯人へ迫っていく。ついに辿り着いた犯人の背後に浮かび上がったのは、戦後日本が未だ清算していない「現実」だった。社会に翻弄される名もなき人たちの悲劇を、哀感を込めて描く社会派ミステリー。
著者等紹介
緒川怜[オガワサトシ]
1957年生まれ。東京外国語大学を卒業後、共同通信社に勤務。2008年に、第11回日本ミステリー文学大賞新人賞を受賞した『霧のソレア』でデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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シンクー
5
読みきるのに時間がかかりました この作家さんの他の作品を読もうと思い、なるべく初期のモノから読み始めましたが... はずれではないが当たりでもなかったって感じ。ワンクッション入れて他の作品に行こうと思います 2017/06/09
悠遠
4
中国の二世三世の話。面白くないわけじゃないけど、なんだかいまいち。話を引っ張る割には先の展開が読める構成というか。2018/06/19
御光堂
1
中国残留孤児という最近ではあまり聞かなくなった問題を取り上げている。主人公の刑事が離婚の傷心からパニック障害を患っているなど、この作者の主人公には屈折した人物が多い。重いテーマを扱いながら、筆致がどこか軽妙で、ロマンスもあったりするので、あまり深刻にならずに読めた。2018/01/03
yuka193
1
残留日本人という、知っているようで全く知らない世界を知った。2012/11/29
あいちょ。
1
一気に読み終えた。 何とも心苦しい読後感。 あたしはまだ、知らない事が多過ぎる。 参考資料の文献も、目を通したいと思った。2012/05/17