光文社文庫
身の上話

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  • サイズ 文庫判/ページ数 471p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784334763206
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

あなたに知っておいてほしいのは、人間にとって秘密を守るのはむずかしいということです。たとえひとりでも、あなたがだれかに当せんしたことを話したのなら、そこから少しずつうわさが広まっていくのは避けられないと考えたほうがよいでしょう。不倫相手と逃避行の後、宝くじが高額当選、巻き込まれ、流され続ける女が出合う災厄と恐怖とは。

著者等紹介

佐藤正午[サトウショウゴ]
1955年長崎県佐世保市生まれ。’83年『永遠の1/2』ですばる文学賞を受賞。2000年に刊行した『ジャンプ』はベストセラーとなり、「本の雑誌」ベスト1に選ばれる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ehirano1

214
語り部によるかなりイタイ女性の話が淡々と続くと思いきや、時折起こる落雷のような急展開がたまりません。おそらくこれが著者の持ち味の1つではないかと思いますが、それには必ずIfが伴っていることが特徴ではないかと思いました。2019/11/16

ミカママ

138
初読み作家さん。NHKドラマで鑑賞済みだったので、一気にいけた。ドラマでは???だった部分が、本作品中で細かく描かれていたのが小気味よい。次から次へとミチルの身の上に起こる、「アリエネー」の連続。エピソードのどれひとつが欠けても、このラストにはならなかったよなぁ。ひとつだけ言えますが、わたしだったらもっと上手く立ち回ります。(笑)2014/07/14

のり

125
ミチルの社会人としての責任のなさ・思慮の浅さに辟易する。転機は次々とまいこむ。男と一緒に上京・宝くじの高額当選・後輩への依存。一見、救いに思えた事が抱えきれない重みとなって返ってくる。嘘を重ねて現実逃避。ようやくたどり着いた安寧の地。そこが終着点でもあり、絶望の始まりでもある。2019/06/16

相田うえお

125
★★★★☆ 宝くじ購入のお使いで、1名から3千円(10枚分ぴったり)、2名から5千円づつ(それぞれ16枚分,釣2百円)、計1万3千円預かり計42枚購入を頼まれる。ここでお釣りが4百円あるのでもう1枚、つまり43枚(バラ番で)購入してしまう。お使いのその足のまま不倫相手と東京に行ったきり帰らず当選発表日になる。2億円当たってしまったが依頼者には外れたとして42枚をその後送り返す!と話が始まって色々と事件が起こっていく。次の展開が気になるよ。まじおすすめ!最初は誰が語ってるんだかってなりますがラストは凄いよ。2016/05/27

ふじさん

104
不倫相手と逃避行後、宝くじが高額当選、恋人殺人関与等、元書店員のミチルの災難と恐怖の身の上話を結婚することになる「私」に語るというスタイルで話は進む。予想外の展開、先が読めない苛立ち、物語を読む楽しみは味わえるが、常に不安感が拭えない。語り口は、穏やかで感情が抑制された分、何か割り切れない気持ちにされる。なんといっても最後に、「私」は誰で、なぜミチルの身の上話をするのか、謎解きの様に明らかになる。「私」の登場場面は秀逸だ。あまり味わったことのない作品だ。最後まで読んで、物語の全貌が分かった。 2022/02/21

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