内容説明
偉大なる政治家フロンティヌスが喝破したごとく、ローマの水道網の実用性に比べたら、エジプトのピラミッドもギリシアの観光名所も、まったくの役立たずだ―そんな市民の誇りと繁栄を支える水路から、バラバラ死体が相次いで発見された!生まれたばかりの赤ん坊と愛するヘレナの安全を守るためにもファルコは探索を開始する。やがて、祭りのたびに女性が行方不明になっている事実を掴む。犠牲者は彼女たちなのか。
著者等紹介
デイヴィス,リンゼイ[デイヴィス,リンゼイ][Davis,Lindsey]
1949年生まれ。オックスフォード大学卒業後、公務員から作家に。つねに英米のベストセラー・リストに名を連ねる
矢沢聖子[ヤザワセイコ]
津田塾大学学芸学部卒業
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感想・レビュー
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鐵太郎
7
詳細なローマ水道の蘊蓄も出てきます。大都市ローマを維持する水の管理。膨大な量の水が、ローマ建築の頂点といえる空高い水道橋を流れ、数十キロ先の水源から半日でローマの噴水に注ぎ込まれる様子。抵抗を減らすために、極限まで磨き上げられた水路。そして徹夜明けのファルコの前に現れた男。 「ファルコ!──きみなら助けてくれるよな」「なにがあったんだ?」「いや、何もないことを願っているが ─ 彼女を見失ったようなんだ」予感はあたっていた。悪夢が始まったのだ。見事な展開、見事な結末。面白い本は、こうでなくてはいけない。2004/11/16
中島直人
6
今までで、一番サスペンダーらしく感じた作品。ハラハラドキドキで楽しく読めた。2020/01/02
あき
3
シリーズ9作目。父親になったファルコ。前作の解説に9-11巻はファルコのパートナー探しとありましたが、今回は親友のペトロがパートナー。ペトロは自業自得で休職中&離婚の危機。アナクリテスが奇跡の復活をしていて、なんだか良いパートナーになりそうな予感。でもそもそもファルコはパートナーを求めているのかな。元執政官のユリウス・フロンティヌス(実在の人物)は調べてみたら、95年に水道長官になっていたり、水道についての書籍を出したりしているらしく、今回の事件にまさにぴったり。ローマの水道事情にちょっと詳しくなれます。2017/03/25
うしちゃん
1
ローマの水道事業 素晴らしい!勾配0.3%2012/02/14