内容説明
―紀元72年。皇帝ウェスパシアヌスは、東方との大交易ルートにあたる「十の町」(デカポリス)の、帝国への忠誠度をいたく気にかけていた。白羽の矢に撃ち抜かれたのは、またしてもファルコ。最愛のヘレナともども、旅の一座の台本書きに身をやつし、視察を続けることとあいなった。―一座に潜む殺人犯探しと、家出したオルガン弾きの捜索までファルコに託され大忙し…。お待たせの第6弾。
著者等紹介
デイヴィス,リンゼイ[デイヴィス,リンゼイ][Davis,Lindsey]
1949年生まれ。オックスフォード大学卒業後、公務員から作家に
田代泰子[タシロヤスコ]
国際基督教大学教養学部卒業
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
鐵太郎
8
AD72年、ファルコ31歳。今回の仕事はシリア、ユダヤ地方。不穏な地域をローマの版図として平定したのは将軍ウェスパシアヌスとその息子、ティトスですから、その地の安定は皇帝自身の面子もかかっているのでしょうか。デカポリスという地方はもともとギリシャの都市連盟であり、「十の町」という意味どおり10個の都市があるところです。ところで、英国の劇作家がデンマーク王子の悲劇として描いた復讐劇に、ファルコの書いた戯曲のプロットが転用されているらしいとか。(笑)2007/09/02
中島直人
4
(図書館)読了2019/09/04
くぅ~ねる
2
今回はローマを離れ砂漠を渡りシリアに向かう道中に色々あって大変な目に遇うファルコとヘレナだけど、今まで以上に絆が深まる二人にシリーズを読み進めるワクワク感も膨らむ。2008/12/18
Riko
1
図書館で借りた2021/08/28
あき
1
シリーズ6作目。今回はシリアへ。皇帝ウェスパシアヌスが平定し、兄フェストゥスが戦死した彼の地。ナバテア人のムーサが好きです。寡黙なんだけどだんだん家族の一員として馴染んでいくところとか、タレイアの蛇たちを操ってしまうところとか。駱駝とか蠍とか、シリア地方ならではの描写も楽しい。パルティアとローマ帝国領が重なっていたとは。そういえば、パルティアはローマの仮想敵国だったっけ。殺人犯探しと家出娘の捜索は解決したけど、そもそものアナクリテス依頼の目的はどうなったんだ?2017/01/11