内容説明
―紀元72年冬。ファルコとヘレナは北方での冒険からようやくローマに帰還した。おふくろの家に立ち寄ると、兄の戦友を名乗る兵士が、借金を返せと居座っている。古代ギリシアの天才彫刻家フェイディアスのポセイドン像をめぐる大儲け話で、どうやら家族を捨てた親父も一枚かんでいるらしい。―戦死した兄は帝国の英雄なのか、単なる山師か、名誉回復に立ち上がるファルコ…期待に応えてCWA賞受賞の人気シリーズ第5弾登場。
著者等紹介
デイヴィス,リンゼイ[Davis,Lindsey]
1949年生まれ。オックスフォード大学卒業後、公務員から作家に。ファルコ・シリーズはこれまでに12作。つねに英米のベストセラー・リストに名を連ねる
矢沢聖子[ヤザワセイコ]
神戸市出身。津田塾大学学芸学部卒業。訳書に『黄昏の北京』『すべて死者は横たわる』(講談社文庫)、『有名人殺人事件』(同朋社)など
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感想・レビュー
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鐵太郎
11
露営地を出ようとしたとき、あの名も知らぬ男が背後から呼びかけた。「あの男は英雄だった。誠心誠意やっていた。お袋さんに言ってやれ、あんたが探していた男は ─ あんたの兄さんは英雄だったとな」おれはそんなことは信じない。それでも、嘘をつこうという気になった。 大騒ぎのなかで、互いに罵りあい、悪口を言い合いながらも、心の底でつながっているファルコ一族。なんか、いいなぁ。歴史に名高いユダヤ戦争を背景に、ローマで繰り広げられる不思議な物語。なんと、皇帝陛下とその息子たちまで巻き込んだお話は、どこで決着が付くのか。2007/05/22
中島直人
6
(図書館)この巻は、あまりに不幸が続いてファルコが弱くなってる気がする...次巻で是非、男振りを発揮して見事大願成就となって欲しい。2019/12/23
蝉の一生
2
直近で読んだ本が、重たかったので、気分転換に再読(まだまだ、積読があるのに...)。ファルコの個性的で(傍目から見れば)楽しい一族がわらわらと登場し、各々事件解決にそれなりの役割を果たします。親戚づきあいがすっかり薄くなった私にとっては、少しばかりうらやましい気もしました。「古代ローマ人の24時間」を読むと、ヘレナの人物像は、この時代にあっては、決して特殊ではなかったように思え、ますますシリーズに親近感を覚えます。2025/04/13
くぅ~ねる
2
今作品はファルコの兄にきせられた汚名をはらすという内容だったのでファルコの家族・親戚がたくさん登場し、一家の内情などが明らかになり面白かった。ラストが今までにないロマンチックな状況だったのも良い。2008/12/16
Riko
1
図書館で借りた2021/06/30