内容説明
仕事は楽勝、配達先で女ともヤレて…のはずが、試験を受けて代用の郵便配達人になってみるとむちゃくちゃキツい。正職員の連中はひどい雨の日や配達量が多い日には欠勤しちまうし、上司は意地悪だ。それでも働き、飲んだくれ、女性と過ごす、そんな無頼生活を赤裸々に描いた自伝的長篇。
著者等紹介
ブコウスキー,チャールズ[ブコウスキー,チャールズ] [Bukowski,Charles]
1920‐1994。ドイツ生まれのアメリカの作家。高校卒業後に就職したり進学したりするも長続きせず、22歳で放浪生活をはじめ、雑誌に大量に短篇を書き送る。第二次世界大戦にともなう徴兵検査で心身ともに不適格となると、ロサンゼルスに落ち着き、郵便局に勤めるかたわら、詩集を出版したりアングラ新聞にコラムを連載したりする。1971年にブラック・スパロウ・プレスから『郵便局』を刊行しプロ作家デビュー。以降、精力的に詩や小説を発表し続けた
都甲幸治[トコウコウジ]
1969年福岡県生まれ。東京大学大学院修了。アメリカ文学研究者、翻訳家、早稲田大学文学学術院教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
やいっち
84
ヘミングウェイに魅せられていたというが、歯切れのいい短文が続き、恐らくは都甲幸治氏の訳も預かってだろうが、分かりやすく乗りやすい。世間にもだが、読者にも媚びを売る気はさらさらない、チムスキーのその気風の良さが魅力だ。2023/02/06
NAO
67
この作品は、30歳で働き始めた郵便局でのとんでもない仕事っぷりが描かれている。「とんでもない仕事っぷり 」というのには、二つの意味がある。ひとつは、その郵便局という職場がとんでもなくブラックだということ。ところが、作者は超過酷な仕事を押し付けられても負けていない。勝手に休むし、上司の叱責も屁とも思っていない。配達先の女性と楽しんだり、競馬にどっぷりひたったり。過酷な仕事に押し潰されることなく、自分らしさを持ち続けたブコウスキー。誰もがそうできるわけではないから、彼のこの奔放さにスカッとするのだろう。2023/05/09
harass
47
日記のように無造作に書かれるブコウスキーの自伝的小説。郵便局の理不尽なしきたりと癖のある人物たち、さらに癖があるのが主人公で、配達先の女性に手を出したり、規則に反抗したり。結局何年かは正規職員として働いているのに驚く。根は真面目なのだろう。2023/07/22
Shun
39
初読み米作家ブコウスキーのデビュー作。自伝的長編の本作で、主人公は70年代アメリカの郵便局で働く男として描かれる。話の大筋は郵便局での単純作業や、理不尽に割り当てられた配達地区であくせく働く労働者を描いた古典的な職業小説。一昔前の合衆国郵便局の仕事風景が分かる稀有な物語と言え面白いと思った。しかし主人公の勤務態度は不真面目で反抗的、良い仕事をといった情熱もない。ひたすら労働の嫌な場面や労働者の辛い立場が強調され、むしろこれが仕事なんだと現実を教えているようだ。どんな魅力的な仕事でも何かと苦労があるように。2023/02/23
こうすけ
31
大好きなブコウスキーが、いよいよ“古典”として新訳。ずっと読みたかった郵便局員時代の話。“全世界が手に入れられないなら、何もなくていい”というブコウスキー節に毎度ながらしびれる。そんな野放図な男の、プロフェッショナルとは正反対な仕事の流儀が語られる。上司にはこれぐらい傲慢不遜でありたい。ブコウスキーによる出産立ち会い談も。“女は生まれつき苦しむようにできてる。だからいつも愛してると言われないと気がすまない”。こんな詩的な言葉が飛び出すのは天才だからです。年明けからパワーをもらいました、ありがとう。2023/01/08