内容説明
フラッグと名づけられた仔ジカは、ジョディの無二の親友となった。だが、育ちざかりのフラッグは次第に一家の大事な畑を食い荒らすようになり、父はジョディに厳しい決断を迫る…美しくも苛酷な自然の中で、逞しく生きる人々の姿を力強く描いたアメリカ文学屈指の名作。
著者等紹介
ローリングズ,マージョリー・キナン[ローリングズ,マージョリーキナン][Rawlings,Marjorie Kinnan]
1896‐1953。アメリカの小説家。ワシントンDCに生まれ、子どものころから創作コンテストに度々入賞し才能を発揮する。大学を卒業後、新聞記者となるが、作家としては芽が出なかった。1928年、旅行でフロリダ半島の奥地を訪れ、原生林の残る自然に感動し、居を定める。以後はこの地方を舞台にした小説を生み出し、1938年の「The Yearling」がベストセラーとなり、ピュリッツァー賞を受賞する
土屋京子[ツチヤキョウコ]
1956年生まれ。東京大学教養学部卒。翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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市太郎
4
「人生とはいいものだが、人生は人間をぶちのめす。立ち上がるとまたぶちのめす。ぶちのめされたらどうするか?それが自分の背負うものだと受け止めて前に進むしかないんだよ」少年の成長を通じて自然との共生の難しさを伝える傑作だった。この物語に出てくる自然は人生と置き換える事も可能だろう。まさに少年の人生はこの自然の中にあるのだから。2013/05/14
Ayanosuke
2
胸が抉られるような気持ちになりました。2013/01/24
くりかのこ
2
読み終わってからずっと(といってもまだ半日しかたってないけど)この作品のこと、特に最後のあたりのペニーの言葉が頭から離れない。それだけいいインパクトのある物語だった。2013/01/11
シェル
1
途中少し長いな、と思ってしまいましたが最後の方の鹿との別れやペニーの言葉に胸が締め付けられるようでした。児童書の扱いになっているようですが大人にもおすすめしたいです。2014/07/07
APOM
1
最後の場面ではぎゅっと胸が締め付けられる思いに涙腺がうるっと来た。人生は思うようにならない。だけど生きていくには前に進まなくてはならない。ジョニーの決意に勇気をもらった。大人になることの痛み、食べることの喜び、人として生きる事の喜びと哀しみを謳った名作。2013/05/10