内容説明
トム・ソーヤーは悪さと遊びの天才だ。退屈な教会の説教をクワガタ一匹で忍び笑いの場に変えたり、家出して親友のハックたちと海賊になってみたり。だがある時、偶然に殺人現場を目撃してしまい…。小さな英雄たちの冒険を瑞々しく描いたアメリカ文学の金字塔。
著者等紹介
トウェイン,マーク[トウェイン,マーク][Twain,Mark]
1835‐1910。アメリカの作家。ミズーリ州フロリダに生まれる。印刷工、ミシシッピ河を運航する蒸気船の水先案内人、新聞記者などの職業を経て、作家となる。1867年、最初の単行本『キャラヴェラス郡の名高き跳び蛙』を刊行。以後、小説を発表するほか、エッセイや評論も多数執筆。ユーモアと痛烈な文明批判を織り交ぜた作風は、後世に多大な影響を与えた。1910年、コネチカット州レディングの自宅で死去。享年74
土屋京子[ツチヤキョウコ]
1956年生まれ。東京大学教養学部卒。翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ykmmr (^_^)
139
昔から知っているのに、読んだ事がなかった。正直、同じ様な方が多いのではないか 笑。そんな私たちを癒し、童心に帰す様な冒険心を持った、悪ガキトム。某アニメでもそうだが、いたずらっ子や悪ガキと言うのは意外に、そのやり方が頭脳的だったり、技巧的だったり、周囲の人に取り入る時も、許してもらう方法や可愛がられる方法。さらには、渡り合える方法を持っている。「いたずらっ子世に憚る。」ということわざも、良い面も悪い面も持っていると思わせてくれる。優等生タイプの弟には嫌われているが、自分にないものを持っている兄への反抗心?2022/11/29
藤月はな(灯れ松明の火)
93
ハウスの世界名作劇場では観ていたけど、原作を読んでいませんでした。感動的だった3人のお葬式場面が原作ではこんなに皮肉に描かれていたなんて想像もしてませんでした。でも解説も読むとこの物語で哀れなのは白人至上主義の犠牲になってしまったインディア・ジョーだったのではないだろうか。最後に猫のピーターに覚醒剤じみた薬をやってポリー伯母さんの優しさは暴力だと言ったトムが規則正しさや優しさを押し付ける暴力を受けて逃げ出したハックに対して諭す場面には「ケッ、つまんねぇ子供になっちまいやがって」と思ってしまいました^^;2015/08/14
おか
77
楽しかった*\(^o^)/*昔の悪たれ坊主も今の悪たれ坊主も みんな やっぱりこれを読むべし!!! トムは おばさんを心配させて 手を焼かせて、、、本当に愛すべき悪ガキ( ◠‿◠ )でも 男の子だったら 絶対にこんな冒険してみたいはず。でも 今の世の中じゃ なかなかできない、、、読んでて 思い出した幼い時の冒険(笑)仲間3〜4人で自宅前の道を行く怪しい(あくまでも子供目線)人の後をつけて その人の家を調べるという探偵ごっこ スリル満点だった(//∇//)男の子の方が そういう冒険談 豊富なんじゃないかなぁ2018/06/10
HANA
69
前に読んだのは子供の時分だから数十年ぶりの再読になるが、それでも塀のペンキ塗りや殺人現場の目撃、洞窟探検等いくつものエピソードを今でもはっきり覚えている。子供の頃読んだ時はこういう悪戯に対する憧れみたいなものを覚えたんだろうが、大人になって読むと今はもう失われたあの時期特有の輝きみたいなものを微かな痛みと共に思い出すなあ。トムが「いい子」になって終わる成長物語としても読めるけど、この辺は時代の制約もあるし仕方ないか。トゥエインが言っているように、今はもう大人になった人にこそ読んでもらいたい一冊であった。2020/12/03
アキ
60
トム・ソーヤ―の冒険は1876年マーク・トウェイン40歳頃に書かれた書。彼は12歳で父を亡くし印刷工として働き始め、後に新聞社の記者となる。生まれ故郷のハンニバルはミシシッピー川の流域。トム・ソーヤ―は子どもの頃の著者自身だったのだろう。ハックルベリー・フィンと悪友としてつるむが、トムは彼女の事も将来も肯定的に捉えている。いつの時代も仲間には隠れ家としてのアジトが必要で、そこにお宝が眠っていれは言うことなし。マーク・トウェインとは「水深12フィート」という船舶用語。彼の心のふるさとはミシシッピー河なのだ。2019/06/10