内容説明
汽船、汽車、象と、あらゆる乗り物を駆使して次々巻き起こる障害を乗り越えていくフォッグ氏たち。インドで命を助けたアウダ夫人も仲間に加わり、中国から日本を目指す。しかし、酒とアヘンに酔ったパスパルトゥーはフォッグ氏と離ればなれになってしまい、最大のピンチが訪れる。
著者等紹介
ヴェルヌ,ジュール[ヴェルヌ,ジュール][Verne,Jules]
1828‐1905。フランスの小説家。「空想科学小説の父」といわれる。ナント市のフェドー島で弁護士の長男として生まれる。子供のころから『ロビンソン・クルーソー』などの冒険小説を愛し、12歳のとき未知の国への憧れから密航を試み捕まる。地球上のあらゆる土地、海底、地底、月世界までも旅する「驚異の旅」といわれる一連の空想科学小説を生み出す
高野優[タカノユウ]
フランス語翻訳家。高野優フランス語翻訳教室主宰(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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まふ
119
いよいよ横浜に着き香港で乗り遅れたパスパルトゥールとも再会する。ヴェルヌが日本を当時どのように理解していたかがよくわかる。横浜から外輪船でサンフランシスコに着き、大陸横断鉄道に乗り換え、インディアンの襲撃を受けたりしながらようやくニューヨークに着き、いよいよ最後の大西洋横断の船でアイルランド経由でリヴァプールに着くが、フィックス警部に強盗犯として誤認逮捕され、締切期限の一日遅れとなってしまう。が、実は…、最後まで読者を楽しませるヴェルヌの筆の冴えでメデタシとなる。まことに楽しいお話だった。G1000。2023/04/26
優希
103
あらゆる乗り物を駆使しながら、次々と起こる障害を乗り越えて続く旅。難事件や大問題が起きるのでハラハラし、無理かもしれないと思わされました。どんでん返しの連続は心臓に悪いかもと感じずにはいられません。アクション映画さながらの展開なので痛快ですし、人の持つ強さや優しさに潔さもあるし、単なる旅行記に終わらせないのがいいですね。日付変更線は大どんでん返しと言ってもいいでしょう。最後まで飽きずに楽しめました。世界一周を満喫しました。2016/11/21
扉のこちら側
95
初読。2015年1201冊め。【94-2/G1000】主題の面白さに加えての、フォッグ氏とパスパルトゥーやフィックスのキャラクター造詣の面白さ。存在しない技術を使ってのSFや魔法ファンタジーもいいけれど、現実にある技術を用いてどこまでの挑戦ができるかという話もいいものだ。ただインディアンの描写については、当時の偏見がありありと伝わってきて心苦しい。【第7回G1000チャレンジ】【第52回海外作品読書会】2015/12/12
zero1
80
永遠の名作、ここに完結!地球は狭くなった?でも人の想像は無限。破産か?それとも栄光か?下巻は横浜から始まる。船に乗り遅れながら米国へ。大陸横断鉄道でインディアンの襲撃が。そこで活躍したパスパルトゥーを救出に行くフォッグ。たどり着いたリバプールで「義務の男」フィックスはどうした?フォッグはこの旅で何を得た?出発前と到着後の比較で分かるのは本書がSF的要素を持つこと。旅するのに理由は必要ない。結末を知りながら220ページあたりから泣けて仕方なかった。小中学生に強く推薦したい。レビューがたった95件とは残念!2019/04/13
metoo
80
80日間で世界を一周できる!と賭けをした英国紳士フォッグ。時は1872年、利用した乗り物は定期船、鉄道、馬車、帆船、貨物船、輿、人力車、橇、そして象。ロンドンを出てインドを周り横浜に寄りアメリカ大陸を渡りロンドンに戻る。精密機械のようなフォッグの旅の計画を、乱すのも彩りを与えるのも、おっちょこちょいで主人思いのパスパルトゥー。インドで炎の中から救出されたアウダ夫人は旅のお伴となり、フォッグを密かに追う刑事フィックスも旅のお伴だ。立ち寄る国の当時の雰囲気、大陸横断鉄道、客船についての描写も興味は尽きない。2017/10/17