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光文社古典新訳文庫
消え去ったアルベルチーヌ

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  • サイズ 文庫判/ページ数 374p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784334751562
  • NDC分類 953
  • Cコード C0197

内容説明

プルーストが生涯をかけて執筆し、20世紀最高の文学と評される『失われた時を求めて』。本書は“大伽藍”とも形容される超大作の第六篇にあたり、シリーズを通じての主要登場人物アルベルチーヌと、語り手である「私」の関係に結末をつける、重要な一篇である。

著者等紹介

プルースト,マルセル[プルースト,マルセル][Proust,Marcel]
1871‐1922。フランスの作家。パリ郊外オートゥイユで生まれる。9歳のとき喘息の発作を起こし、以来、生涯を通じて宿痾となる。十代は母親の愛情を一身に受けて育ち、パリ大学進学後は社交界へ出入りするかたわら文学に励む。三十代の初めに両親と死別、このころから本格的にエッセイやラスキンの翻訳を手がけるようになる。1912年、『失われた時を求めて』の原型ができあがり、1913年第一篇「スワンの家のほうへ」を自費出版。その後もシリーズは続き、1922年第四篇「ソドムとゴモラ2」が刊行されるが、気管支炎が悪化し、全七篇の刊行を見ることなく死去

高遠弘美[タカトオヒロミ]
1952年生まれ。早稲田大学大学院文学研究科博士課程修了。明治大学教授、フランス文学者(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ケイ

137
プルーストの新訳を出すにあたって、「消え去ったアルベルチーヌ」を1巻目に出した理由は、既訳はすべてプレイヤード版だから、だれも訳していない「ジェイド版」を初訳で世に出すということだろう。しかし「失われた時を求めて」がどの巻から読んでも良いとはいえ、登場人物達の個性がこれだけでは分からないと思う。しかも、プレイヤード版からカットされた部分がたくさんある「ジェイド版」だから、語り手の気持ちに寄り添うのは難しいという印象。岩波文庫の訳より日本語がとても読みやすいので、もったいないなあと思うのだが...。2019/03/02

SOHSA

41
《図書館本》高遠弘美氏によるグラッセ版第6篇「消え去ったアルベルチーヌ」の邦訳。プレイヤード版等他版とはタイトルもその長短も大きく異なっている。既に鈴木道彦氏訳のものを全巻読了済であるがやはり印象が大きく異なる。グラッセ版はプルースト自身による手入れが行われた最後のものでありプルースト自身の意志が現れたものとの事だが改めてその前提で読み直すと文章の向こう側に見える景色等が大きく違うことを痛感する。俄然、端正で生き生きとした息遣いが聞こえてくる。本書が高遠氏が全訳に取り組む出発点と思うと尚更に感慨深い。2019/05/06

燃えつきた棒

36
アルベルチーヌは消え去った。 恋とは七色に光り輝く玉虫のようなものかも知れない。 森の中でまばゆい光を放っていたそれは、虫籠に入れて家に帰ってくると、しだいに生気を失い、やがては死んでしまう。/ 本書掲載のグラッセ版の「註」によれば、プルーストは当初、本篇のタイトルを「逃げ去る女」と考えていたという。 前巻のタイトル「囚われの女」とのシンメトリーからそう考えたのだろう。2023/04/29

かふ

19
ちくま文庫の『失われた時を求めて9第六編「逃げさる女」』はガリマール版であり、本編では第六編「逃げさる女」の別ヴァージョン(グラッセ版)で随分簡略化されている。その分ストレス無く読めるが(二回目というのもある)、その苦労がない分もの足りなさがあるのも事実である。高遠弘美翻訳(光文社古典新訳文庫)は、第三篇「ゲルマントのほう」までは出ているので、そのあとにいきなりこの巻が続くと戸惑いはあるようである。2022/08/03

おおた

19
6巻からここまで未訳なので、突如つきあってもいなかったアルベルチーヌと別れ話がこじれていて驚く。いや、そんな手紙書いたら絶対ふられるってとボケ倒す「私」に突っ込みを入れながら読んでいると、突然のアルベルチーヌ……!プルーストがこんな唐突なイベントを放り込んでくるなんて意外に思いつつ、いやいやこれで終わりじゃないでしょと思ってたらヴェネツィア旅行にふわーと出かけて、アルベルチーヌのことはほとんど思い出さずにママンを困らせる。何歳のふるまいだよと呆れつつ、巻の半分の解説をほえーっと読む。2020/05/06

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