内容説明
魚になってヴェネツィアを水没の危機から救う一家。ピアノを武器にするカウボーイ。ピサの斜塔を略奪しようとした宇宙人。捨てられた容器が家々を占拠するお話…。現代社会への痛烈なアイロニーを織り込んだ、ユーモアあふれる知的ファンタジー短編集。
著者等紹介
ロダーリ,ジャンニ[ロダーリ,ジャンニ][Rodari,Gianni]
1920‐1980。イタリアを代表する児童文学作家・詩人・ジャーナリスト・教育者。「ファンタジーは人間の精神・人格を形成する大切なもの」と考え、画期的論考『ファンタジーの文法』や童話『チポリーノの冒険』などを著した。教訓におちいることなく、人類愛、反差別、自由の概念を、上質な笑いとともに表現。1970年“児童文学のノーベル賞”『国際アンデルセン賞作家賞』を受賞した
関口英子[セキグチエイコ]
埼玉県生まれ。大阪外国語大学イタリア語学科卒業。翻訳家。児童書から映画字幕までイタリア語の翻訳を幅広く手掛ける(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
130
イタリアの作家の小中学生向けの童話の短篇集です。イタロ・カルヴィーニも評価をしているようです。私は初読の作家ですがファンタジックな部分もあって楽しめました。ここにあるほかにも結構訳されているようなので読んでみようと思います。表題作は猫好きの方にとってはかなり楽しめます。2017/11/15
kariya
90
つれない家族の元を離れ猫と暮らす決心をした老人は、ある朝、柵を越えて猫になる。タイトルからして抜群にキュートな表題作の他にも、銃の代わりにピアノを奏でて闘うカウボーイ、バイクに恋して結婚を望む御曹司、金星での舞踏会にこっそり忍び込むクリーニング店の娘と、時折りぴりっと風刺が効いているけれど、愉快で軽やかな気分になれるお話で一杯の短編集。ちらちらと活躍(暗躍も)する猫の姿も猫好きには堪らない。柵をくぐって猫の仲間入りをするのも楽しそう。たまになら。2009/11/08
sin
89
凡庸な登場人物にストーリー、敢えて退屈なファンタジーと言わせていただきたい。だがしかしこれらの物語が執筆された時代を考えればなかなかどうして侮れない。侮れないんだが、現代のこの刺激にまみれた僕の脳みそは関心を示さないようだ。こころがわくわくしないんだ。汚れちまってるんだな、おいら(T-T)2015/02/19
クプクプ
80
ロダーリ4冊目。「社長と会計係、あるいは、自動車と路面電車」が一番面白かったです。クラシック音楽やセリエAを見なくても、ロダーリを読めば文学でもイタリアの文化を楽しむことが出来ると気づき、嬉しい気持ちになりました。ロダーリの小説は、ちゃんと毒もユーモアもあり、メリハリがきいているのがいいですね。今日の日曜日はバスに乗って美容室へ行ったり、彼女から電話がかかってきたり変化の多い、思い出に残る一日になりました。2022/11/27
tototousenn@超多忙につき、読書冬眠中。
77
☆4.75 心に余裕があるときに読みましょう。 でないと、馬鹿話・ホラ話と本書を投げ出したくなることでしょう。少しの余裕を持って読めば、 風刺とユーモアに笑いが込み上げてくるでしょう。 本書を駄本とみるか良著とみなすか。さてさてあなたの判定は?2020/12/27