内容説明
八丁堀同心の妻、留以。婚家では、夫を献身的に支え、姑や小姑との折り合いに四苦八苦する愛らしい奥方様。だが、剣術小町と称されるほどの武芸の腕前を持ち、両親を殺めた夜盗への復讐心を静かに燃やし続ける別の顔も持っていた―。留以が知り合った菩薩先生と慕われている女医者に、毒入りの薬を処方した嫌疑がかけられる。著者渾身の新シリーズ第一弾。
著者等紹介
六道慧[リクドウケイ]
東京両国生まれ。「本所七不思議」のひとつ「おいてけ堀」の近くに、いまも生家がある。ファンタジーノベル、伝奇小説の分野で活躍後、時代小説を手がける(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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真理そら
29
やっとう小町の留以は幼いころに盗賊に両親を殺され、しかも母親の最期の様子を見てしまっている。父の同僚の十人目付・近藤時之助に姉、妹と一緒に引き取られて育つ。トラウマ持ちの薄幸の美女のはずなのに、なぜかそう見えない。女仕事人。夫の盆暗同心・野村平左衛門を深く愛しているけれど、うるさい姑小姑に悩まされるのは主水リスペクトかな?2019/04/28
Aki
13
姑、小姑のいびりがねちねち多すぎて、仕事人のすっきり感がなかった。人参をめぐっての悪巧みを暴いたのだって、なんだか都合よく始末をつけたって感じが否めない… 余分なところをたっぷり読まされて、本筋が細かったな〜 2013/01/22
はなん
11
遠い日(笑)の「伝奇物」からぼんっっと飛んで「御算用日記」のシリーズでまた読み始めて。時代物、とても面白い!と思っていたけれど他の作品は読んだことがなく。今回ひょいっとタイトルで手にしたら六道さんだったので読んでみた。見たけど。うん。中村主水さんの女性版。あとがきでもそこの隙間を描きたかったとのことなので、それはそれで可。なのですが。。。2011/08/31
本夜見
10
女版中村主水…うーん やっぱり主人公が奥方様だけあって 姑・小姑のくだりが多くて嫌な感じ。仕事人特有の爽快感(??)もあまり感じなかった。しかし…留以殿『妻が妬く程夫はモテず』ですよ。疑いすぎ(笑)2012/10/30
onasu
10
新しく始まったシリーズも、頁を手繰るのを止められません。 内容は、題名から察する通り、あとがき:女版必殺仕事人です。主人公の留以は、八丁堀同心の妻で、姑、小姑にいびられており、正に女版中村主水。 見せ場は無論、結末の場面ですが、剣術(やっとう)小町と称される留以の随所での殺陣も、迫力充分です。秘めた宿願を共にする留以の姉妹、留以に仕える夫婦、仕事人仲間と、周りも彩り鮮やか。夫は、…。 意外な結末には、少し違和感もありましたが、次刊も期待しています。2011/09/02