内容説明
インターネット心中で妻を失った新田は、事件を追っていたライターの切断死体を発見する。さらに、集団自殺の関係者なども同様の殺され方をしていたことが判明し、猟奇惨殺事件は、マスコミへの犯行声明をもって、公開殺人へと変貌を遂げた。ネット心中と、バラバラ殺人を結ぶ接点とは何か?疾走感あふれる圧倒的筆力で読ませる、著者入魂の犯罪小説の傑作。
著者等紹介
香納諒一[カノウリョウイチ]
1963年横浜生まれ。早稲田大学文学部卒。出版社勤務のかたわら、’91年「ハミングで二番まで」で第13回小説推理新人賞を受賞。’92年に『時よ夜の海に瞑れ』で長編デビュー。’99年『幻の女』で第52回日本推理作家協会賞を受賞。ハードボイルド、青春小説、社会派サスペンスなど、多岐にわたる分野で活躍(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
三代目 びあだいまおう
204
大切な読友さんのレビューより。少し前に読み始めたが数十頁で断念。なぜか細切れで読むべきではないと思い、休みの今日、朝からぶっ通しで読了。自殺サイトで集まった者達の『集団自殺』で最愛の妻を失った主人公の一人称一視点で淡々と展開。頭部と四肢を切断された惨殺死体からはなぜか胴体のみが消えている。同様の連続殺人は、どうやら例の集団自殺の関係者が被害者のよう。一視点のため読み手は文章に入り込み、主人公の感情と同化する!なるほど素晴らしい小説だ!最後半はまさに怒涛‼️大切な人を失った者達の心の闇を描ききる傑作‼️🙇2019/02/09
chiru
93
惹きこまれる内容に一気読みしました。最愛の妻をネット心中で亡くした主人公が、同じ境遇の若者と、心中とバラバラ殺人を結ぶ線をたぐる物語。3人の若者と主人公との絆があたたかくて胸が熱くなる。本物の衝撃は365Pからラスト1行。遺された者にとっての復讐。そのターゲットは、守れなかった無力な自分でしかない。引き返し地点をあえて見ないで歩く傷まみれの主人公に、自分だったら…って泣きそうになる。底なし沼のような『遺された人間の闇』を正面から突き付けてくる傑作。ちーたんさんの感想に惹かれて読みました!ありがとう❁ ★52019/02/17
ちーたん
65
★★★★★初読み作家さん。なんとなく手に取り購入したものの、読書メーターではわずか70そこらしか登録数がないので面白くないのかなーと長らく積んでましたが、この作家さんもっともっと評価されるべき方だと思いました!!!猟奇的連続バラバラ殺人事件と過去に起きたネット心中が交錯するサスペンス。自らの命を絶つ者と残される者。大切な人を失った心の深い闇。最初から最後まで引き込まれる筆力と疾走感。最後の最後まで胸が熱くなる心揺さぶられる作品でした!なぜこんな作品が眠っているんだろう。多くの方に読んでもらいたい!!2019/01/22
yomineko@鬼畜ヴィタリにゃん💗
33
マイケル、、、どうして新田さんはマイケルにお酒を???ネット心中がテーマの本作、読み応えがありました。最後の最後で驚き!紹介して下さったマイ読のちーたんさんに感謝!2019/02/07
タケチヨ
30
読友さんからの推薦本。過去に起きたインターネット集団自殺とそれに関連する人達が次々と犠牲になるバラバラ殺人の謎を追っていくといった内容。あらすじだけ見ても自分の好物作品だろうと思って読み始めたら終始一人称のハードボイルドタッチな筆力にまず魅了され、自ら死を選ぶ人間や大切な人に先立たれてしまい残された人間など様々な人達が抱える『闇』との向き合い方についても色々と考えさせられる作品でした。最後の主人公の独白部分は何とも切ない結末でしたが。この作者の別の作品も是非読んでみたい。2019/02/28