出版社内容情報
恋人の娘を一日預かることになった私は、実は子供が嫌いだ。作り笑顔とご機嫌取りに汗だくになっても、ぎくしゃくするばかり……。ふたりのやり取りを、可笑しく、そして切なさをこめて描く「木蓮」。恋人同士が一緒に暮らしたことから出会った二匹の雌猫。彼女たちの喧嘩だらけの日々、そして別れを綴る表題作。ほか、日だまりのように温かい「女ふたり」の六つの物語。
内容説明
恋人の娘を一日預かることになった私は、実は子供が嫌いだ。作り笑顔とご機嫌取りに汗だくになっても、ぎくしゃくするばかり…。ふたりのやり取りを、可笑しく、そして切なさをこめて描く「木蓮」。恋人同士が一緒に暮らしたことから出会った二匹の雌猫。彼女たちの喧嘩だらけの日々、そして別れを綴る表題作。ほか、日だまりのように温かい「女ふたり」の六つの物語。
著者等紹介
西加奈子[ニシカナコ]
1977年、イラン・テヘラン生まれの大阪育ち。2004年『あおい』でデビュー。2008年に『通天閣』で織田作之助賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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読書素人本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ミカママ
545
しずく…そういうことだったのね。久しぶりの西加奈子さん、あぁやっぱり彼女の描く作品が好きだ、と再認識。どこか遠くへ一瞬にして連れ去られるのに、最後はちゃんとよく知る世界へ戻されて背中をトントンしてもらえるような。表題作と『シャワーキャップ』が好き。娘のいる女性ならば、たまらなく身につまされる一作。2022/10/13
酔拳
221
女二人の友情を描いた6編の短編集です。といっても、「しずく」は、猫2匹が主人公でしたが。 なんといっても、「しずく」はとても心に残りました。夫婦が一緒に暮らす事になって、一緒に暮らす事になった雌猫2匹の日常が楽しく描かれていますが、夫婦が別れることになって、猫も離ればなれになるところが、心に残りました。 「シャワーキャップ」も30代の女性の気持ちがよく描かれていました。 全編をとおして、女性の友情(猫と猫だったり、母と娘だったりしますが)がよく描かれていて、いい小説でした。2016/03/19
❁かな❁
215
西加奈子さん、めっちゃ好きです‼︎大好き♡西さんの作品を読むのはまだ9作目ですが先日読んだ「漁港の肉子ちゃん」この「しずく」を読み本当に大好きだと確信しました★女ふたりの6つの物語。私はこの中のほとんどのお話で涙しましたが最後の「シャワーキャップ」は一番泣いてしまいました*母娘のお話でとても自分と重なるところがあり、どちらの気持ちもよくわかりました。「ランドセル」「しずく」も良かったですし「木蓮」もクスッて笑ってしまう箇所もあり、どのお話も温かく素晴らしい‼︎西さんのお人柄がよくわかります♡大好きな作品♡2015/07/23
さてさて
207
六つの短編からなるこの作品。それぞれの内容に直接的な繋がりはありませんが、すべての主人公が、普段一緒にいることのない他の女性との時間を共に過ごす姿、”女ふたり”の世界が描かれていきます。そんな世界は、読者が思いもよらない繋がりも描かれます。冒頭、もしくは中盤で不穏な空気が漂う場合もありますが、いずれも結末は後味の悪くない、さっぱりとした、もしくはうるっとくるような、”とてもいい話”を読んだ感の残る六つの短編からなるこの作品。読後、表紙を見ながら、この短編集いいなあ、思わずそう呟いてしまった作品でした。2020/09/26
にいにい
176
西さんらしい空気感が溢れる女ふたりの6篇の短編。幼馴染み、大家、恋人の娘、旅先の出逢い、雌猫、母娘、年齢も関係も違う女たち、みんな温かくステキ。ほんわかと肩の力が抜ける、心地よい余韻。「シャワーキャップ」のお母さん、可愛い過ぎ。「オワカレ」の切なさにウルッ。「木蓮」の葛藤にクスッ。切ないけど、温かくて、人が愛おしくなる物語。心を真正面から素直に表す西さんの作品もっと読むぞ~!「みんなから自分を決めつけられる恐ろしさ」、「互いのために存在する喜び」、それぞれ後日談もあったらもっといいのになぁ~2015/07/27