内容説明
小池信江は、亡き夫との思い出の公園を訪れていた。まさに桜が満開の季節。桜吹雪の中、つい眠り込んでしまった信江に話しかけてきたのは、可愛い点目のぶたのぬいぐるみだった。熱を出して倒れたことから、彼女と彼の不思議な同居生活が始まる…(「桜色七日」)。ほか、心優しきぶたぶたが人々に温かな波紋を拡げてゆく、ハートウォーミング・ストーリー全五編を収録。
著者等紹介
矢崎存美[ヤザキアリミ]
埼玉県出身。1985年、星新一ショートショートコンテスト優秀賞を受賞。’89年に作家デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ダイ@2019.11.2~一時休止
141
ぶたぶたその11。短編集。今回はスピンオフ(その2・3・6・7?)らしい。再会の夏・小さなストーカーなんかが好き。2014/12/13
小梅
124
読んでいて、あれ?この人前にも出て来たんじゃない?と思いましたが、あとがきを読んで納得しました。少し疲れてる時に読みたくなる「ぶたぶたシリーズ」ぶたぶたさんは裏切らないですね(*^_^*)2015/12/10
優希
105
ぶたぶたさんスピンオフでした。他の物語からの関連にはちょっとわからないところがあります。それでもこの本だけでも十分に楽しめるのはぶたぶたさんならではでしょうね。心優しいぶたぶたさんが、色々な人に穏やかな波紋を与えていくのにほっこりしました。このハートウォーミングさが癒しになっています。2016/03/21
りゅう☆
103
スピンオフだから『再びの~』なのね。演出家朱雀雅さんがホラー作家鳥海さんにホラー小説書かせたり、春日署の刑事ぶたぶたさんも再登場、『小さなストーカー』で「お父さんがゆってた」が口癖で、ニコチン依存症を「ニコニコいそんしょ」と言い「おねいちゃん」って呼ぶ姿に可愛いさ募る。だってぶたぶたさんの娘ちゃんだもん。『十三年目の再会』へと繋がる信江おばあちゃんとの同居を垣間見れた『桜色七日』で「信江さんチャーハン」の思い出が懐かしくもあり心温まる。色々なぶたぶたさんの物語に出会うたびに優しい気持ちになれるのがいいね。2016/05/10
美登利
102
読み始めて気がつく。再びの意味を。幾つか覚えがあるけれど、やはり印象的なのは、ホラー作家さんの話と玉子チャーハンのお話。今回はぶたぶたさんの活躍は少なめ。登場人物一人がばたばたしたり、ハラハラしたりでぶたぶたさんは毎回職業は違うけど、そんな主人公たちをそっとそばで支える控えめな役割です。それが微笑ましいし、とても羨ましいです。ぶたぶたさんの次女ちゃんのエピソードもとても良いです。カバー絵の桜を見上げるぶたぶたさん。花びらが蹄みたいだなとも思いました。切ないお話へと繋がっているのです。2016/03/28