内容説明
天正七年十月、武田信玄の六女・菊姫は、越後国主上杉景勝に入輿した。武田勝頼と同盟し、御館の乱で景虎を滅ぼした景勝は、菊姫と異母弟・武田信清を厚遇する。三年後、武田が滅亡し、帰る家を失った菊姫は、景勝を敬愛し、ひたすら上杉家のために尽くす。やがて、秀吉の命令で人質となり京の藩邸で暮らす菊姫は、正室として感情を抑え、お家の発展に心を砕いた。
著者等紹介
阿井景子[アイケイコ]
長崎県長崎市生まれ。佐賀大学教育学部卒業。出版社勤務を経て執筆活動に入る。丹念な取材と史料の渉猟による歴史エッセイ、歴史小説に定評がある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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アラン
3
歴史は好きだけど歴史小説があまり得意ではない私がどうしても菊姫と景勝の二人のことが知りたくて読むのを決意。(だって武田と上杉の夫婦なんて胸熱な組み合わせ!!)内容は淡々と史実+α少し創作。菊姫目線なので年代がトントンと進んでいき(景勝側の戦パートもあるが菊姫は基本待ってるだけだし)読む人にとっては退屈かも。だけど私的には二人の人生の流れを知れて満足。ただもう少しラブがあってもいいのにな~と←。2018/07/09
思惟
2
あまり盛りあがるところはなかったけれど好きな人なので楽しめました。武田が滅びたあたりでじんわりしてしまった。子供ができなくて実家が滅びて。でも景勝に愛されて菊やんは幸せだったんだろうな。戦国ないす夫婦!2010/11/09
wang
2
上杉謙信の後継者・景勝の妻である菊姫(武田信玄の娘)のもとにもたらされる知らせを列挙する形で景勝中心の戦国末期の歴史を述べる。菊姫の人間性もなければ歴史感もない。特異な立場の人が主人公だけに期待したが、年表を読んでいた方がまだ面白い。2010/10/03
朱音
1
天地人あわせで出版されたのかな~、といった印象。景勝でも兼続でもなく、菊姫(信玄の娘)を主人公にしたのはユニークだが、武将の正室となると戦場にはいかないし、政治的なこともあまり関係ないし物語り上あまり動きがないのでは…?「無事のお帰りをお待ちしております」的なシーンが多いのはしょうがないかもだけれど、イマイチ盛り上がりに欠ける。まぁ、私にはこの作者の文体は余りあわないかも。2009/12/21
ゆみゆみ
0
菊姫がどんな人物なのか知りたくて読んでみました。「涙らんかんたり」の作者と同じためか、北条夫人とキャラがかぶって見えました。こちらはしとやかで美しく家のために尽くすといういかにも戦国時代の姫。景勝の性癖が本当なのかと、ちと気になりましたが(^^;こちらもあっさりと読めた本でした。結局のところ、菊姫って資料が少ないせいかよくわからない人物のようだ。景勝が無口なせいでエピソードが少ないのだろうか。2012/06/12