内容説明
いまや女子にも鉄道ブーム。女子鉄道ファンの先駆者である著者が、餘部鉄橋、「あさかぜ」「さくら」、リニアモーターカーから痴漢問題、Suicaペンギン、鉄道と睡眠の考察まで、男性とは全く異なる視点から鉄道を綴った、女子鉄エッセイ。「乗っていないけど乗ってみたい」女子にも、「マニアが怖い」男子にも、みんなに優しい鉄道入門。
目次
雪見列車と力餅―奥羽本線、米坂線
夢見る女子、のと鉄道に揺られる
女子はなぜ寝てしまうのか?
鉄道と制服と日本人
新幹線の「顔」に惚れました
「時間厳守」モノレールの旅―ゆいレール
雨を切り裂くリニア試乗会
タンゴ鉄道で知る、鉄ちゃんの含羞
迷いなし!英国の鉄道ファン
一瞬の喜び、車窓の景色―陸羽東線〔ほか〕
著者等紹介
酒井順子[サカイジュンコ]
1966年東京都生まれ。高校在学中から雑誌にコラムを執筆。立教大学観光学科卒業後、広告代理店に3年間勤務し、現在はエッセイストとして活躍。『負け犬の遠吠え』で婦人公論文芸賞、講談社エッセイ賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
293
女子鉄を自認する酒井順子さんによる、さまざまな鉄道旅エッセイ。鉄道マニア(あるいは鉄道オタクとも)にも、随分いろいろなジャンルがあるようで、彼女は「乗り鉄」(ただし、しばしば「眠り鉄」に陥るようだが)。もっぱら、各地の鉄道に乗って風光を楽しむ派だ。主体が鉄にあるのか旅そのものにあるのかが曖昧なために、当然「鉄」としての純度は低い。その代わりに、エッセイとしては軽快で面白い。なかなかにいいところを衝いているのである。それにしても、世の中には思いがけない鉄もいるもので、「トロ鉄」なるものは初めて聞いた。2015/08/13
あすなろ
109
乗り鉄の酒井氏のエッセイ。酒井氏のエッセイ、僕はなんか好きなんですね。琴線に触れてくるエッセイというか。そういうエッセイって、あまり実はなくないですか?さて、これも琴線に触れて始まった宮脇俊三さん好きな酒井氏の乗り鉄エッセイ。良かったです。個人的には続きが欲しい。例えば、自分も乗って北海道新幹線と共に廃止となったハマナスとかを書いて欲しい。同じような感覚を持つ酒井氏がどう書くかとても興味ありです。また来週から旅を続け仕事をする僕にとり、気分転換や清涼剤として良い積読本でした。2017/08/16
まーくん
95
鉄ちゃんの生態を揶揄しながらも、実は女子ながら宮脇俊三先生の”時刻表2万キロ”を読んで以来の隠れ鉄道ファンだったそうです。ちょうど、国鉄の「いい日旅立ち」のCMが放送されていた頃で、山口百恵の歌声と旅情溢れる映像をを見て「日本のどこかに、私を待っいる人がいるのかなぁ」と思うようになったそうです。そして今、もっと女性も鉄道に乗って旅に出るようにけしかけていますが、「私を待ってる人」にはほぼ確実に会えないとも言っておられます。宮脇先生の著作と同様、旅ごとに要を得た簡潔な地図が添えられています。2019/10/22
takaC
89
どの話題にも疑問なくついて行けてしまう自分はもしかして順子さんと同類ってことなのか⁉︎(性別は違うけど)2016/08/26
いたろう
51
「女流阿房列車」で、東京の地下鉄全線を1日で完乗する旅、24時間鈍行列車に乗り続ける旅、東海道を53回乗り換えて京都を目指す東海道五十三乗り継ぎなど、無茶な鉄道旅行をした酒井さんの、これもまた鉄道愛にあふれた本。鉄道好きと言っても、本職(?)の鉄ちゃんのようなマニアックさや蘊蓄はなく、誰にも読みやすいエッセイだが、相変わらず絶景ポイントを爆睡していて見逃すなど、旅行記になっていない(!)ゆるさがおかしい。中学の時に宮脇俊三氏の「時刻表2万キロ」を読んだという、同年代の酒井さん。自分も中学の時に読んだなあ。2021/05/05
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