出版社内容情報
15年前、自殺とされた女性教師の墜落死は実は殺人――。警視庁に入った1本のタレ込みで事件が息を吹き返す。当時、期末テスト奪取を計画した高校生3人が校舎内に忍び込んでいた。捜査陣が2つの事件の結び付きを辿っていくと、戦後最大の謎である3億円事件までもが絡んでくるのだった。時効まで24時間、事件は解明できるのか!? 著者”幻の傑作”待望の文庫化。
内容説明
十五年前、自殺とされた女性教師の墜落死は実は殺人―。警視庁に入った一本のタレ込みで事件が息を吹き返す。当時、期末テスト奪取を計画した高校生三人が校舎内に忍び込んでいた。捜査陣が二つの事件の結び付きを辿っていくと、戦後最大の謎である三億円事件までもが絡んでくるのだった。時効まで二十四時間、事件は解明できるのか。
著者等紹介
横山秀夫[ヨコヤマヒデオ]
1957年、東京都生まれ。国際商科大学(現・東京国際大学)卒業後、上毛新聞記者に。’91年『ルパンの消息』がサントリーミステリー大賞佳作に。’98年『陰の季節』で第5回松本清張賞、2000年『動機』で第53回日本推理作家協会賞(短編部門)を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ehirano1
550
謎解きに全戦全敗の当方は最初から謎解きには取り組まず(失笑)、淡々と物語を楽しむことにしました。 人生には忘れてはならない事が個々人特有にあり、それは良い事だったり、あまり思い出したくない事だったり。後者の場合、何かの責任を感じ毎日思い出す様であれば人は確実に精神を病んでしまう。だから人はそれを定期的(限定的)に思い出すことができるように「記念日」なるものを創ったのでは、と思させてくれる本でした。 2016/12/04
yoshida
462
横山秀夫氏の処女作。15年前の女性高校教師の自殺は他殺との情報提供がもたらされる。情報提供者は明かされず。時効成立まで1日。警視庁も動員した捜査網が敷かれる。そして事件の背後にはあの三億円事件の陰が見える。中盤からラストまで怒濤の展開で読ませる。教師殺人事件と三億円事件。二段構えの展開と昭和の空気が、同じく横山秀夫氏の「64」を思い出した。独特の登場人物に執筆時の時代背景を感じる。横山秀夫氏の熱のこもった作風は処女作から健在でぐいぐい読ませる。伏線の回収に満足の読後感。他作も読もうと強く思った力作。2016/05/01
ヤマタマ
382
★★★☆☆時効まであと24時間という限られたシチュエーションの中で、 人間関係、動機、推理がうまく絡み合う。最後は怒濤の展開。リアリティが感じられないところも少しあるが、無視できる面白さ。コンパクトにまとめられているが中身は充実。2015/01/04
再び読書
369
まずタイトルに惹かれたが、内容も期待にしっかり答えてくれた作品。横山氏のデビュー作の加筆された物と後書きに書かれてあったが、思い入れが感じられる作品に仕上がってていた。色々な謎が散りばめられていて、再読すればもっと面白いと感じることが織り込み済みおの著作。また横山氏の真骨頂に感じる人の深い心の洞察に裏付けられた、人間関係も秀逸。一見軽いタッチのルパン作戦から、三億円事件や時効にまでまとめて壮大な物語に紡ぎあげる筆力に感服します。2013/01/12
どんちん
314
自殺が他殺だった、時効まで24時間だ というように文字にしてしまうと、なんだかありがちな設定だなぁと思えるが、15年前の記憶を辿りながら話が進んでいく構成(これもありがち?)との組合せは、けっこうイケテいると思う。喜多を語り部としたルパン作戦の全容解明は、3人の視点からの回想であってもよかったかなぁとない物ネダリをしたいw二転三転するストーリーにワクワクしながら読めた一冊だった。3億円事件のカラマセはちょっとムリあり?喜多のキャラが15年でそんな変る(多少片鱗は見えたが)?等細かな突っ込み所はあるがww2014/02/24