内容説明
真夏のヴェネツィアで脳天を直撃するイカスミパスタを愛し、ヨーロッパに向かう機内では鮎の山臭さにむせる。パリの街角で火事場の臭いの焼き栗をポケットにねじ込み、横浜で秋刀魚を焼く煙に美しき幻想を見る。著者の舌と鼻は、時空を超えて冒険し考察する。これは虚実皮膜の境界線から叫ぶ超小説か、それとも危険なエッセイか。深く艶ある文章が、現実以上の味と匂いを喚び起こす珠玉の五十編。第二弾。
目次
ラム
カラスミ
水
イワシ
チョコレート
焼き栗
二鍋頭酒―アールグォトウチュウ
オムレツ
鯖の味噌煮〔ほか〕
著者等紹介
勝見洋一[カツミヨウイチ]
1949年東京・新橋に生まれる。成城大学卒業後、文革下の北京で美術品の鑑定に携わり、パリの大学で教鞭を執る。パリではレストラン・ガイドブックの星印調査員のアルバイトの経験を持ち、NHK『男の食彩』のキャスターを3年間務めた。2000年には『中国料理の迷宮』でサントリー学芸賞を受賞。美術評論、オーディオ・ビジュアル評論などの分野でも名高い(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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