内容説明
夫婦水入らずでの欧州旅行を楽しんだ爽香と明男。フランクフルトで、爽香は女優の笹倉弥生、劇団主宰の喜多原光夫と知り合う。帰国後、爽香が出席したパーティ会場に二人の姿が。会場ホテルのトイレで喜多原が殺される。一方「G興産」社内では、爽香を退職に追い込もうと謀略を企だてる同僚が―。読者とともに登場人物が年齢を重ねる人気シリーズ第二十一弾。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
セウテス
91
シリーズ第21弾、爽香35才の春。夫明男との2人きりのヨーロッパ旅行の帰り、知り合った喜多原が帰国後のパーティー会場で殺害される。遺体の近くには、萌木色のハンカチーフが落ちていた。軽いミステリとしてのシリーズだが、主人公が1作品毎に歳をとるという事は、時代の社会の流れを反映するという事でもある。本作では高齢化社会に向かい、爽香が会社の福祉関係のプロジェクトに携わっている。それは効率化をするのが最も難しい仕事であり、会社の利益向上を考える人物として、爽香の適役が居る事でも解る。終わり方が、何とも怖く感じる。2019/09/16
あつひめ
60
あー、ほんとに海外旅行に行けたんだ…。もっと旅行中の話があるかと思いきや…ばっさりカット。いつもの事ながら、事件の方から爽香の方に近づいてくる感じ。それにしても、爽香の弱点が充夫だとはなぁ…。若い頃はもっとまともだった気がするんだけど、年を重ねるごとにいい加減度が増してくる。仕事面では、出る杭は打たれる…まあ、少なからずやっかみはあるが、口にする言葉は年を重ねてる風だが、イメージは若い頃のじゃじゃ馬のまま。いつもより荒っぽい、事件だったが、次の作品にも繋がりそうな予感もしたり。今後が楽しみ。2014/12/25
takaC
29
ほお。ヨーロッパ旅行の成果か。じゃあ最低あと15年は続きそうだな。2012/08/10
こふみ
25
新聞の広告で、主人公が毎年1つずつ年を取っていくシリーズと知り、興味を持って図書館にあった一番古いものを借りてみました。 事件が次々起こり、ついつい先を読んでしまいますが、ドタバタしすぎてしっくりこない感じがしました。2023/09/27
スミレ
17
杉原爽香35歳。シリーズ第21弾です。 夫・明男との海外旅行から帰国後、出席したパーティーで殺人事件に巻き込まれる。 兄・充夫からも厄介事を持ち込まれ、更に社内で爽香を敵視する女性の存在が…。 と、いろいろ詰め込まれた今作でした。 ラストは爽香への警告なのか? 不穏を残して物語は終わります。 そして、爽香についに! 爽香の生活が大きく変わるであろうこれからの展開がとても楽しみです。2023/12/08