内容説明
日本の探偵小説の名作、話題作を語るとき、一九二〇年から五〇年まで全四百冊刊行された、「新青年」を欠くことはできない。江戸川乱歩がデビューしたのもここだった。まさに百花繚乱、探偵小説の多彩な味わいを伝えたその「新青年」から、乱歩の目にかなった作家・作品をセレクトしての新たな傑作集。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
MIRACLE
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乱歩「日本の探偵小説」の分類と紹介文をもとに、新青年の作品を論理派編と文学派編にわけて編集した選集(解題・山前譲)。文学派編は、情操派(7作)・怪奇派(3作)・幻想派(3作)に分けて、作品を配置している。既読の作品が多く、新味を欠く内容だった。2011/10/31
King Alfonso
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文章の隙間から立ちのぼる昭和の香りが懐かしい。2008/08/12
hgstrm2
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玉石混交。たぶん大下宇陀児は初めて読んだと思うけど一番面白かった。横溝正史は五社英雄作品(市川崑ではなく)でも見てるようでグッときた。探偵小説はいろいろ読んでる気がしてたけど乱歩以外はほとんど読んでないことに気付いたし新青年関連の本も初めて。編集にあたっている「ミステリー文学資料館」なる集団が何者なのか全く知らないけれども、いい仕事してくれてる。平成以降のミステリーといえば京極先生以外は全く面白いと思えない自分にはやっぱりこのあたりの雰囲気が最高。つまりそれは馥郁たる香りというやつですよ。 2021/06/13
紅藍
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新青年に収められた短編を、乱歩の分類に応じて13作取り上げたもの。論理派編の方が作風は好みだったが、探偵小説の名のもとに集ったバリエーション豊かな変格的作品の内、本格とそう遠く離れていないタイプが収められている。2018/02/17