内容説明
大学病院の医師・相川は、激務の疲れから、薬剤の投与量の計算を間違えてしまう。患者である少女は片手を失い…。医療過誤の現場をリアルに描く「針」。援助交際をしていた少女が、手錠をかけられた状態で高速道路で轢死した。少女が抱えた哀しい内面に迫る「鏡」など、実際の事件に材を取った四編。現役の法律家が、事件の背後に隠された人間性の真実に光を当てる。
著者等紹介
朔立木[サクタツキ]
現役の法律家。2001年、裁判官の知られざる真の姿を描いた『お眠り私の魂』で作家としてデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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鍵ちゃん
45
大学病院の医師・相川は、激務の疲れから、薬剤の投与量の計算を間違えてしまう。患者である少女は片手を失う。医療過誤の現場をリアルに描く「針亅。援助交際をしていた少女が手錠をかけられた状態で高速道路で轢死した。少女が抱えた哀しい内面に迫る「鏡亅など、実際の事件に材を取った4編。作者は現役の法律家のためか、一つ一つの話が心に突き刺さる。そして主人公の心の叫びがリアルに届く。短編なのに重たく感じた。2025/04/03
なつ
13
実際の事件を材にした4つからなる短編集。どれも重いし遣りきれない。2016/12/11
ちょん
11
読んでて自分の心の中がスッと底冷えるような、人間の生々しいとこを突きつけられたような気持ちになりました(>_<)重たくて辛くて読みたくなくなるけど、読んでしまった! 「僕は一人で行くよ。ひとりで別なところへ。僕を迎えに来たりしなくていいよ。母さん、さようなら。」2017/12/02
ちょん
8
4つの短編。どの話も暗く、内面的な葛藤とともに話が進んでいく。特に辛かったのは、「針」。追いつめられていく医師が見ていられなくなる。なんとなく流れに乗ってしまい、言いたいことも言えずに悪者になってしまうっていうのが、リアルだった。2012/10/20
Hiroki Nishizumi
4
小説、といっても元ネタは実際にあった事件であろうことは容易に想像がつく。小説であれば救われるかも知れないが、現実にあったとしたら耐えられないな、と正直感じる。2020/01/03