内容説明
かつて“七つの海の白い女王”と歌われたシリウス号。客船としての使命を終え、今は船上ホテルとして第二の人生を送っていた。ところが経営難から悪徳企業に買収される羽目に。しかしひと癖もふた癖もあるクルーたちが納得するはずがない。やがて謎の古地図に示された黄金のありかを捜し求めて、ふたたび大海原へと出航。爽快かつファンタジックな冒険譚。
著者等紹介
稲見一良[イナミイツラ]
1931年大阪府生まれ。記録映画のプロデューサーを経て作家になる。’91年『ダック・コール』で第4回山本周五郎賞受賞。至純な魂を持ち続け、感動的な作品を生み続けた。’94年没(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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はつばあば
58
ワクワクする本と出合えた時歓喜の雄叫びを挙げる前に紙面から目が離せない。陸に上がった河童の如く、優雅な船は船上ホテルとして係留されていた。そんな船に面白い人達が・・。若い人は夢がないと不貞腐れているより、人の持ち合わせない技術を身につけて羽ばたくべきだ。夢がなけりゃ心も腐る。想像力も養わねば生を受けた値打ちがない。稲見さんはお若くして亡くなられたけど、彼の作品は老婆を個性豊かな登場人物と同じ目線で楽しませてくれる。読み人の少ないのが勿体ない2019/01/28
ken_sakura
28
とても好き(^_^)我輩は鳥である。名前はチョック。コクマルガラスである。飼主は海賊の末裔安楽博忠(あんらくひろのり)。語り部チャック、主人公は安楽さん、心意気溢れるタイトルに則って、粋を愉しむ物語♪( ´▽`)客船としての生涯を終え、船上ホテルとしての日々を送るシリウス号。経営難から買収される事になったことから、安楽さん達が、シリウス号の動力を修理して出航。シリウス号に有った宝の地図を元に宝探しをするようなしないようなお話♪(´ε` )解説より、モデルは今は無い伊豆のホテル・スカンジナビア号とのこと。2017/03/25
bluemint
20
久しぶりに再読。相変わらず面白い。登場人物の言葉を借りれば「物語の中の男や女と一緒になって、ワクワクドキドキする小説だ」。荒唐無稽?そういうのが読みたかったんだよ!ウダウダくねくねした小説ばっかり読んで気が滅入ったらこれを読め!爽快な気分になれる。2021/07/04
乱読999+α
18
真に男のためのロマン溢れるファンタジー、冒険小説。ベルヌのSF冒険小説「海底二万里」「80日間世界一周」、スティーブンソンの「宝島」、マーク・トゥーエンの「トム・ソーヤーの冒険」もっと幼い頃読んだ「ピーター・パン」に通じるものがある。夢や希望を与えるワクワクドキドキするもので、読んでいて楽しいと素直に言える小説だった。作者も本書の中で作家のブックさんに言わせている。「私が書きたいものは根も葉もない嘘八百だ」と。2017/09/08
けいちゃっぷ
13
これはファンタジーか寓話かおとぎ話かロマンか。素直に楽しめました。2008/12/20