内容説明
邪馬台国はどこにあったか?君臨した女王・卑弥呼とは何者か?この日本史最大の謎に、入院加療中の名探偵・神津恭介と友人の推理作家・松下研三が挑戦する。一切の詭弁、妥協を許さず、二人が辿りつく「真の邪馬台国」とは?発表当時、様々な論争を巻き起こした歴史推理の一大野心作。論拠を示したエッセイを併せて収録。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Kircheis
348
★★★☆☆ 邪馬台国の場所はどこだったのかを入院中の神津恭介が推理する。 『成吉思汗の秘密』に続く歴史ミステリーであり、大胆かつ独創的な着想と著者の妄想満載で綴られる考察は相変わらず楽しい。 本作では神津の説に納得できる部分も多く、結論を聞いて「これ正解なのでは⁉︎」と思わされた。まぁ自分は畿内説推しですが(笑) 卑弥呼というと日本史で1番最初に習う超古い時代のイメージだが、良く考えると奈良時代のたった500年くらい前のことなんだな。そう考えるといつか解明できそうな気もする。2023/01/01
ま~くん
32
九州説に畿内説。3世紀頃の日本に存在したと思われる邪馬台国とは一体どこにあったのか。歴史の授業で聞いた魏志倭人伝。唯一と言ってもいい歴史的資料が僅か約二千字しか記載がないというのも驚いた。名探偵神津恭介が導き出した結論は斬新だった。更に女王卑弥呼が埋葬されていると推察される石棺の存在。眉唾物と思うか、信じてみるかは読者次第。多少、小難しい所もあったがとても楽しく読み切った。今だに邪馬台国論争に終止符が打たれる様子はない。決定的な証拠が出土する日が待ち遠しい。2020/12/24
hnzwd
32
邪馬台国比定地についての驚きは少ないものの、そこに至るまでのアプローチは過去に無かったものだったのだろう。文献の解釈は納得のいくもので無理無く邪馬台国に辿り着いた、と感じました。それこそが衝撃的な事ではあるのですが。鯨統一郎『邪馬台国はどこですか?』を再読したぃ。。2013/02/22
河内 タッキー
18
推理小説という形を取ってはいるが、よくここまで調べあげたものだ。他の研究については全く不勉強だが、よくありがちな、結論に至るまでにどうしても越えられない壁があり、無理矢理推理を充てがい、がっかりさせられる、と言うこともなく、淀みない推理で楽しめた。2017/05/28
TheWho
17
推理小説の大家の著者の義経=成吉思汗の伝説をモチーフにした歴史ミステリーの金字塔である「成吉思汗の秘密」の続編。本作も名探偵神津恭介の入院の暇つぶしで、日本古代史最大の謎である邪馬台国の場所と卑弥呼の実在を解き明かした歴史ミステリー。本作は、魏志倭人伝の邪馬台国迄の順路と距離の謎を新説で場所を特定し、また記紀との驚愕な関係を解き明かし、刊行当時様々な論争を巻き起こした名著と云う。そして鯨統一郎が解説では絶賛している。書歴史ミステリー好きにはお勧めの一冊です。2015/05/20