内容説明
江戸幕府より朱印状を授けられ、全国の占い師や芸能者を統括する、安倍晴明を祖とする陰陽師。その一族土御門家で京都触頭の一人・笠松平九郎は、帯刀を許され、小太刀の名人でもある。易者姿で京の治安に目を配り、次々と舞い込んでくる摩訶不思議な事件を解き明かす。欲望、嫉妬、憎悪…人間の持つ弱みを、市井に生きる人々の姿を通して描く快作。
感想・レビュー
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やま
82
土御門家・譜代陰陽師で触頭・笠松平九郎25才の活躍を描いた物語です。吉岡流小太刀の名手である平九郎は、安倍晴明を家祖とする陰陽頭・土御門泰栄の京都触頭の一人で帯刀人。触頭とは、土御門家が陰陽師として生業をたてる易者、人相見などの占い師たちを、統括する役目であり。幕府より治安の維持を命じられた土御門家は、全国に12人の触頭を置き。笠松家は、その一家として京都に定住し、京都の治安に携わり、また陰陽頭の下命で全国に出向いていく。🌿続く→2021/11/14
がらくたどん
61
今期の大河にご登場のユースケ安倍晴明が妙にこすからくて実に怪しい。「なんや、藤原かいな。しょうもな」と霊力を小出しに使って裏で舌を出している気がする。この手の実力あるのにちょっと「いけず」な陰陽師をどこかで見た気が。時は江戸、晴明を祖とする陰陽師は全国の占い師や芸能者を統括して市井の揉め事・不満を吸収し解消する幕府お墨付きの治安維持組織となっていた。霊力抜群の陰陽頭・食えない実務派家司頭を敬愛しつつ翻弄されながら若くて真面目な譜代京都触頭の平九郎は時に申(猿)の式神となりながら易者として街に立つのである♪2024/01/26
Koning
17
陰陽師といっても妖しい何かが出て来てやれ霊力だ法力だというのではなく、極めて合理的な考えで行動する感じはよござんす。オカルティックな事件を調べるとそこにはちゃんと枯れ尾花が居ると。問題は京都なんで関西弁が厳しいという問題(汗。それを除けば凄い読みやすいんだけどねぇ2013/12/17
花々
11
魑魅魍魎と対峙するのではなく、人々の相談にのり、良い方へと導くアドバイザーといったふうな陰陽師が主人公でした。なので派手な場面はほぼなく、知恵で解決していく感じです。章ごとに異なる事件が起きる訳ですが、最後は温かく終わって、めでたしめでたし!2015/10/28
みかりん
4
江戸時代の陰陽師の話。陰陽師の触頭 平九郎。昔の陰陽師は 占いの他に 町人の人生相談に乗って 犯罪や揉め事を少なくしてらしいです。シリーズ物なので 続き読みます。2019/11/14
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- 和書
- 本朝画人伝 〈巻2〉