内容説明
安政四年。坂本のお仁王さまといわれた乙女が、藩医・岡上家の新甫に嫁いだ。絵を描き、長刀を使う大女の乙女と小男の新甫は、まさに蚤の夫婦。長男・赦太郎も生まれ、姑とも上手くいっていた。ところが、長姉の突然の死、弟・龍馬の脱藩、さらには夫の不倫が発覚し、俄に乙女の身辺に変化が生じてきた。―文庫で書下ろす龍馬の姉・乙女の実像。他一編収録。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ともとも
4
この作品も時代というか人生を翻弄された 二人の女性。 結婚生活が真逆な二人であったが、 自分の愛する人たちが次々とこの世を去っていく そんな辛く・悲しい現実という共通点がありながらも 龍馬や自分の子ども、半平太や親類縁者との繋がりが とても、豊かなものであったり、強い絆であったり そんな愛情が物凄く感じることがとても出来ました。 2012/07/05
かず
1
乙女(とめ)さんは、はちきん でもっと自由に明るく生きたのかと思っていた。幼にして親に従い、嫁しては夫に従い、老いては子に従え の三従の訓が印象に残る。あ、ちなみに高知出身の妻との結婚の承諾を義父にいただいた時、こう言っていた。「高知の女は強いぞ」と。また、武市半平太の妻の冨の話もとても良かった。幕末は悲しい不条理な話がたくさんある。2020/06/23
橘きこ
0
嫁いでから、夫の暴力や姑のいじめに耐える乙女の強さに感服!私だったら、彼らに跳び蹴りをくらわせ、即行実家に帰ります!! 2010/01/28
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- 和書
- 綱島梁川集 岩波文庫