内容説明
築三十年のアパート・さつき荘には、ひとりの幽霊が住み着いていた。そのアパートの一室で、二百万円のダイヤのブローチが盗まれた!ところが容疑者は全員シロ。犯人は幽霊?中央署の刑事・木崎と吉村は、幽霊に事情聴取をすることになるが…(「横縞町綺譚」)。北陸の古都・香坂市を舞台に繰り広げられる、不可思議で切ない連作ミステリー。
著者等紹介
松尾由美[マツオユミ]
金沢市生まれ。お茶の水女子大学外国文学科卒。1991年「バルーン・タウンの殺人」がハヤカワSFコンテスト入選。そのユニークな設定とユーモア溢れる作風で注目される
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感想・レビュー
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タカギ
23
少し不思議なゴーストストーリーと言うのか…。連作短編集。舞台は金沢(作中では香坂となっている)。最初の話は、幽霊が住み着くアパートで宝石の盗難が起こり、刑事たちは幽霊に事情聴取を試みることになる。これを見事に解決してから、超常現象的なものが絡むと思われる事件が彼らのもとに持ち込まれる。どの話も陰惨ではなく、ほのぼのするようなちょっと物哀しいようなノスタルジーを感じる。連作なので、最後にひとつ、大きな謎が浮かび上がる。「さびしい」と言えて良かった。とても好きなお話。2022/07/09
ピップ
14
霊、予知、超能力が絡む事件が発生する連作短編。「実は霊の仕業ではなく、こういうトリックだったのですよ」的なものではなく、この本はホントに幽霊の仕業だったりする。オカルトとミステリの融合です。オカルト現象の前提がしっかりしているので、ミステリとしておもしろく読むことができた。ラストの締め方もなかなか。おもしろかったです。2020/07/10
Norico
10
北陸の都市が舞台。幽霊やら予知夢やら超常現象がらみの事件を解決する刑事さん。物悲しいような切ないような。ラストが救いがないかなぁと思ったが、ほっこりできてよかった2022/08/09
coco
10
途中までは切なくもほのぼのした感じで読み進めていたけれども、ラストの「山上記」で一気にもやもやっ。個人的には最初の「横縞町綺譚」のような感じの連作が良かった。2013/08/22
射手座の天使あきちゃん
8
二人の刑事が幽霊に会ってから次々と変な事件に巻き込まれて行きます なんでしょう、やっぱりミステーですかねぇ?