感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
341
上巻の感想では、本書を「荒唐無稽」と評していたが、あらためて考えると、より肯定的なニュアンスを持つ「奇想天外」とすべきだったかと思う。さすがに中国四大奇書と称されるだけあって、日本的な発想では生まれてこないような壮大なスケールかつ、大胆な構成である。意外だったのは、玄奘三蔵の存在感の薄さというか、主体性の弱さである。その代わりにというか、孫悟空が単に痛快な暴れ者ではなく、思慮分別も備えた存在であったことが物語全体の構想を支えていたようである。ただ、面白くはあったが、もう一度読むかといえばそれはなさそうだ。2024/04/13
まふ
106
三蔵玄奘と孫悟空、猪八戒、沙悟浄の一行の旅は妖怪、魔王などの妨害、障害などに遭遇しつつ旅を続ける。その間、三蔵法師はすべてを孫悟空の護衛に頼っているが、時々妖怪どもに捕まったりしてまことに頼りない。猪八戒は勝手気ままな暴れん坊だが孫悟空には一目置いている。沙悟浄は全く影の薄い存在であり、孫悟空もあまり期待していない。全編ほぼ孫悟空の一人舞台である。様々な障害を乗り越えて一行は無事天竺国に到着し、釈迦牟尼仏より五千巻の経典を授けられて無事大唐国に帰還する。まことに痛快な物語であった。G1000。2024/02/16
里愛乍
38
改めて読んでみて、翻訳の技でもあるんだろうけどつくづく映像向けのお話だよなぁと思う。妖怪が登場してピンチになって悟空たちが活躍して難を超えて却説次へと旅は続く、という。もう書いてる人もかなり端折ってるんですよねこれ、解説によると。でも正解だと思う。キャラクターの勝利だと思うもの。子供のころはちょっとイライラして見ていた八戒、大人になってこうして見ると実に面白い性格だなーなんて読み方も出来たりして。何より弾むような会話の展開が楽しい。面白かったです!2021/04/19
さわたり
2
翻訳がユニーク。古典を忠実になぞってるのに、当時は存在しないはずのカタカナ語をまじえ、漢詩に振られたルビにフッと笑ってしまう。訳者あとがきがアツい。2014/02/21
miroku
2
奇想天外・驚天動地。 なんともファンキー♪2010/05/28