内容説明
格別の評価を得る推理小説の一大傑作。―一九四九年十二月十日、東京・汐留駅に届いた大型トランクのなかから、男の腐乱死体が転がり落ちた!容疑は当然、九州からトランクを発送した近松千鶴夫にかかったが…彼もまた、瀬戸内海上に漂う死体として、岡山県で発見されたのだった!真犯人が構築した純度百パーセントの難事件。鬼貫警部に勝算はあるのか…!?最高傑作の呼び声高い作品を、初刊当時の形で文庫化、トリック詳解を付す。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
へくとぱすかる
74
4~5回目の再読。前回は読メ登録以前でした。戦争の傷跡そのものがテーマではないものの、1949年という時代背景に、必然的に喪失感を抱える登場人物たちと、しかしそれでも再出発を願う気持ちがバックに流れていると、今回感じた。どこかに「鬼貫警部自身の事件」だと書いてあったなぁ。トリックが複雑だと思われているらしいが、むしろ意外性の驚きを狙っていると感じる。飛行機も新幹線もない時代、わずかな距離に時間がすごくかかるのに驚く。ラストで、幸せって何だろうと考えさせられるのは、この名作ミステリに挿入されたロマンだ。2022/02/09
背番号10@せばてん。
40
【1957_日本推理作家協会賞_候補】【1985版_東西ミステリーベスト100_8位】【2012版_東西ミステリーベスト100_11位】2002年10月18日読了。共読されているお気に入りの皆さんは、殆どの方が創元推理文庫に登録。『登録は読了した出版社のものを』という、マイルール破りの誘惑にかられます。2002/10/18
ホームズ
33
鬼貫警部のアリバイ崩し。黒いトランクの動き、犯人と思われる男の動きと複雑なアリバイ、鬼貫警部が大連に行く原因になった女性の関係した事件と面白くて再読なのに一気に読んでしまった。トランクの動きは本当に難しくて巻末にトランクの動きを図にしてくれていて助かる。面白いな~。2018/01/03
ばんだねいっぺい
32
足を使って、地道に捜査を重ね、証言と現況から、トリックの発見やアリバイ崩しに繋がるのが好ましく思われた。時代がかってそのへんもグッときた。2020/01/05
yucchi
30
アリバイ崩し物のため時刻表登場。人物移動に加えトランクの動きもあるので、頭が混乱しまくり(笑)巻末の図解でようやく理解できた。図解を見ながらの方がトランクや人物の動きがわかるのでより楽しめそう。再読時には初読時とは別の楽しみ方をしたい。2014/10/10
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