内容説明
織田作之助賞を受賞しデビュー。以後、動物と人間の交流を描き、高い評価を得る著者の感動長編、ついに文庫化。沢雅人の盟友ともいうべき犬リキがヤクザに連れ去られた!沢は空手を武器に奴らを倒し、闘犬として売られた事実を知るが…すでに勇猛なリキは厳寒の東北路へと逃走していた。やがて舞台は日本を離れアフリカへ―。壮大な冒険ロマン。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
yamakujira
3
沢の愛犬リキは、東京で盗まれて秋田へ売られ、逃げだして福島で助けられ、ケニアに連れて行かれる。沢が空手で悪徳業者をぶちのめす序盤でハードボイルドかと思ったら、リキの逃避行になり、さらにリキと俊介の絆がはぐくまれ、終盤の襲撃でも沢が戦うことなく、いささか肩すかしだけれど、ラストは爽やかな哀しみを感じて心が洗われるようだ。作者が本作の三本柱だと言う「アフリカ」「犬」「空手」の中で「空手」は「アフリカ」に途中交代したようだな。アフリカでは野獣や病気も怖い、でもそれ以上に人間が怖いと教えてくれる。 (★★★☆☆)2019/08/30
カエル氏
0
最後の別れのシーンは悲しいけれど…リキ、大自然を思いっきり楽しんでね!そしてアフリカに行ってみたくなる!2019/02/07