内容説明
慶長五年、関ヶ原の戦いで西軍に与した真田昌幸・幸村父子は敗北し、高野山に蟄居となった。幸村に同行する妻・竹姫と子供たち。だが、高野山は女人禁制の地。妻子は夫と別々に暮らさなければならない。帰るべき実家を失った竹姫たちを待ち受けていたのは、過酷な日々であった。―綿密な取材と厖大な史料を駆使し、戦国武将の妻の視点から描いた長編歴史小説。
感想・レビュー
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星落秋風五丈原
6
綿密な取材と膨大な史料を駆使し秀吉に「表裏比興の者」と評された幸村の父、昌幸と真田丸で奮戦する不遇の親子を戦国武将の妻の視点から描いた長篇歴史小説。2002/01/24
美代子
4
史料の少ない蟄居生活、なかでもさらに史料の少ない幸村の妻を中心に描いている。父が戦で死に、そして夫も戦で死ぬ竹姫の生きる苦しみが読み取れた。どちらの男も命を捨てねばならぬ相手が家康なのがまた……。自分のやりたいように戦へ赴いたのなら、それは武士として幸福なのかもしれません。しかし蟄居の真田親子のつらさ悲しみがひしひし伝わる2015/04/06
橘きこ
1
幸村の正室、竹姫の生涯を描いた作品。夫と離れ、九度山村での貧しい暮らしに耐え、それでも工夫して暮らしていた健気さに感銘。夏の陣での夫と息子が討死したことを知る場面は、泣けた。戦というものは、むごいものです。2012/02/23