光文社文庫<br> わかれの船

光文社文庫
わかれの船

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  • サイズ 文庫判/ページ数 425p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784334732004
  • NDC分類 913.68
  • Cコード C0193

内容説明

これらの作品を一作一作味わっていくと、みずから選択したかに見える「別れ」も、生木を裂かれるような「別れ」も、憎しみの果ての「別れ」も、計算された小意気な「別れ」も、流されるままに別れるしかなかった「別れ」も、人間という謎めいた船が暗い水面に残す波に似ていることに気づく。この世は「別れ」に満ちている―味わいあふれる名篇の数々。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

佐島楓

47
宮本輝さんによるアンソロジー。どの作品もよかった。わかれをテーマにした短篇ばかりだが、小説とはある意味ですべからく何等かのわかれを描いているのではないだろうか。この作品集をきっかけに、触れてみたいと思う作家さんも増えた。収穫は大きかった。2015/09/11

Shoko

27
宮本輝氏が編む「別れ」を主題とした14編のアンソロジー。三浦哲郎「川べり」、田辺聖子「ジョゼと虎と魚たち」、連城三紀彦「桐の柩」、アントン・チェーホフ「不幸」、水上勉「猿籠の牡丹」、宮本輝「暑い道」あたりが印象に残った。人生には様々な別れがある。また年を重ねるごとに違う物語が心にしみたりするのだろうと思う。2020/02/21

美雀(みすず)

24
いろいろな別れ話のシーンが心に残ります。作家さんの選んだストーリーは流石だなぁと思う。2016/09/14

11
様々な別れの形。男女間の色恋での別れがほとんどで必ず肉欲と情欲部分あったとはいえ、全然わからん…というお話があまり無かったのがすごいです。連城三紀彦「桐の柩」が特に沁みました。伊集院静「桃の宵橋」、田辺聖子「ジョゼと虎と魚たち」、宮本輝「暑い道」もしみじみ良かったです。2024/08/16

なつのふね

10
「人生には別れが付きもの」というモチーフで書かれた14編の短編集である。山田詠美からはじまり水上勉で終わるが 純文学のそうそうたる作家ばかりで大変読みごたえがあった。田辺聖子「ジョゼと虎と魚たち」などは 今まで何回も読み かつ 内容を忘れてばかりだったのに今回はその瑞瑞しさに驚愕した。また 連城三紀彦「桐の柩」初めて読んだときは その複雑な展開に困惑気味だったが 今回は なんと愛憎に満ちた凄みのある内容かと感動した。どちらも傑作なのだと納得した。2016/03/08

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