内容説明
推理作家・江葉章二は、大学時代に家庭教師をしていた、白川ミレイに、監禁されてしまった。江葉の足には、重りの付いた鎖が…。彼が監禁されているとき一人の新人作家が殺された。現場に残る謎。殺人者はだれだ?江葉はどうなる?事件の結末は、恐ろしく、そして悲しい過去に遡る。そこには非道な犯罪に対する底知れぬ怒りがたぎっていた…。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
浅木原
3
割り算の文学とかで土屋隆夫って緻密で端正なミステリ作家だと見なされてると思うんだけど、むしろ後年は荒っぽい稚気の作家だと思う。これを読めば一目瞭然で、小説としてはもう全然緻密じゃない。最大の馬鹿トリックはちゃんと伏線あるからいいとしても、犯人の過去と動機はとってつけすぎ、前半の監禁サスペンスと乖離しすぎでしょう。とても99年刊の作品とは思えない滲み出る古臭さとあわせ、おじいちゃんがんばったね感すごい。でもこれ土屋作品ではかなり面白い方で、『天狗の面』みたいな巨匠とは思えぬ稚気が老人臭と同居する。不思議。2015/07/18
背表紙裏
3
まさか、こんなトリックを持ち出してくるとは思わなかった。トリックが豊富な時代だからこその盲点だろうか。非常に高いサスペンス性と吸引力が合わさり、どんどん引っ張られていく。最終章の問題定義は日本の法律が抱える光明の見えない矛盾。東野圭吾のあの作品と繋がる起点といるのではないだろうか。2010/02/13
かなずちラッコ
2
タイトルのミレイが気になり、この作者は初めてだけど普通におもしろい。2022/05/06
しんこい
2
女に監禁される流行作家とはミザリーと一緒でどう展開するのか、と思えば、殺人が起り犯人は誰、様々な証拠がさすものは一体、と本格ミステリーでした。2013/03/03
小物M2
1
初めて読む土屋隆夫作品。本作は土屋隆夫の中では異色作な気もするけれど、面白かった。本作は何と言っても病んでいる女の子に監禁させられるという状況が堪らないものがある。しかも、このプロットがユニークかつ巧妙に活かされている。トリックとしては明かされて見れば非常にシンプルではあるが、それを気づかせないためのミスディレクションが見事。それにしてもある意味ヒロインとも云えるミレイのキャラクターが実に魅力的だと改めて思ったりも。ただ、最後に語られる動機が唐突すぎる点とミレイの出番が後半から減ってしまう点が不満。2014/06/20
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