光文社文庫
犯人のいない殺人の夜

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  • サイズ 文庫判/ページ数 336p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784334718268
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

親友が死んだ。枯れ葉のように校舎の屋上からひらひら落ちて。刑事たちが自殺の可能性を考えていることは俺にもわかった。しかし…。高校を舞台にした好短編「小さな故意の物語」。犯人がいないのに殺人があった。でも犯人はいる…。さまざまな欲望が交錯した一夜の殺人事件を描いた表題作。人間心理のドラマと、ミステリーの醍醐味を味わう傑作七編。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Kircheis

292
★★★★☆ 東野圭吾氏は長編、短編かかわらず人間描写がうまい。今回も村上春樹さんばりのせつない人間模様を提供してくれた。 本書の中では叙述トリックで綺麗に騙してくれた表題作が一番のお気に入りだけど他のも良作揃い。 なお、表題作と『さよならコーチ』以外は全部オチが途中で予測できてしまったので、単にミステリとしてだけなら衝撃はあんまりなかった。2019/02/20

Tetchy

272
統一キャラクターで繰り広げられる連作短編集はキャラクター偏重の趣きが強いが、本作ではそれらを排し、トリックよりもロジック、さらに理論よりも理屈では割り切れない感情、人間の心が生み出す動機について焦点を当てているように感じた。ただ短編であるからか書込みが少なく、それ故それらの動機についてはちょっと踏み込みが足りないように感じた。個人的良作は「小さな故意の物語」と「さよならコーチ」。次点で表題作となるが、後日思い起こして話題に出るほどではない。技巧の冴えが目立つ故に軽く感じてしまう諸刃の剣のような短編集だ。2010/04/19

やっさん

222
★★★★ 「闇の中の二人」の真相には思わず驚倒した。東野圭吾の短篇では、今まで読んだ中で一番面白かったかな。自殺に纏わる話が多い。2018/05/01

Yunemo

205
26~29年前の7つの短編集。今読んでも違和感が少ないことに、純粋に驚き。人間の持つ切なさを、人間心理を、遺憾なく表現。それにしても、自覚していないところで人を不幸にする状況設定、犯罪の裏に潜む心の葛藤、ほんとに身に染みることばかり。「小さな故意の物語」、まだまだ若すぎる少女の心理、理解しがたい想いと妙な納得感が二重になって自身の気持ちに突き刺さります。7つの作品、どれをとっても、重大な犯罪でありながら、やるせなさと切なさで、たまりません。そんな想いが胸に沈んだまま読了、ですかね。2014/09/15

夢追人009

190
東野圭吾さんの16冊目となる意識的に読後は心を痛め重苦しい気分にさせる事を狙ったのだなと感じさせられた悲劇的ミステリ短編集です。うーん、普通は心が晴れ晴れする部分も幾らかはありそうな物ですが本書での東野さんはぶれる事無く徹底的に首尾一貫されていますね。もし哀しい運命が貴方の心に重く圧し掛かって来たならば、見事なミステリの騙しのテクニックに気持ちを向けて気分転換を図るのが良いでしょうね。ミステリを読む時には何事も鵜呑みにして素直に信じては絶対にいけませんよ。練りに練った著者の術中に完全に嵌められますからね。2019/07/06

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