内容説明
新宿西口地下街にあるケーキ屋のガラスケースの上にすわる猿の人形。向かいの喫茶店で働く純子は、この猿に結ばれている赤いリボンが、時によって位置を移動するのが気掛かりだった。(「踊る手なが猿」)。都立高の敷地から江戸時代の墓地が?その中の樽形の棺に男女二体の人骨と、密封された小壺が入っていた。(「暗闇団子」)。サスペンス&トリック傑作集。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ばりぼー
62
24、5年ぶりの再読。新宿西口地下街のケーキ屋の店頭に置かれた猿のマスコットに結ばれたリボンが、2、3日単位で移動する「踊る手なが猿」。子殺しをするハヌマンラングールの話はこれで知りました。猥雑な地下街の喧騒が伝わってくる印象深い作。その他、マンションに見知らぬ男の死体が転がっていたため、関わりを恐れて証拠隠滅を図る「Y字路」、立原道造の詩が幻想的な雰囲気を醸し出す「赤と白の殺意」、都立高校の敷地から江戸時代の人骨が発掘され、時代を遡って花魁と田舎侍の恋を描く「暗闇団子」など、ユニークな彩りの短編集。2016/01/04
大阪魂
51
あー、やっぱし島田さんの本、読みやすいー!4編の短編集やったけどサクサク読みおわってしもた!「踊る手なが猿」は新宿地下街が舞台のミステリー、猿の人形のリボンの位置が変わってる意味は?「Y字路」は吉敷刑事登場、玉の輿狙った女性が殺人事件に巻き込まれるお話、「赤と白の殺意」は子どもの頃の血塗られた?記憶を取り戻しに軽井沢いくお話、これはいまいちやったかな…そして「暗闇団子」、工事現場で発見された2人分の骨と暗闇団子て書かれた紙、国宝級の櫛に秘められた花魁と武士の悲恋のお話…読み進めるん哀しすぎやった😢2024/11/02
takaC
41
うん。『暗闇団子』推し。2013/07/06
マムみかん(*ほぼ一言感想*)
36
本棚から発掘。 たぶん再読…(ほとんど覚えていなかった・笑)。 「吉敷竹史シリーズ」を追いかけていた頃、この短編集の『Y字路』を読みたくて購入したんだと思いますが、やっぱり吉敷さん良いわ~。 そして、歴史の謎を解き明かす『暗闇団子』も、心の琴線に触れる悲恋物語で素敵でした☆2017/04/04
coco夏ko10角
24
4つの作品収録の短編集。吉敷が登場する『Y字路』がよかった。 踊る手なが猿/Y字路/赤と白の殺意/暗闇団子 2021/04/20