出版社内容情報
中堅私立医大の入学試験で、女子受験生の点数が一律減点されている――疑惑を耳にした新聞記者の檜葉菊乃は極秘取材を試みるうち、医大理事である神林晴海を突破口とみなし接触する。一方、疑惑の揉み消しを命じられた晴海は菊乃を強く警戒する。社会にはびこる女性差別と闘い、強く生きるふたりが立場ゆえに対立する。正義とは。信じるものとは。二人の「対決」の果てに見える地平を描く、傑作長編。
【目次】
内容説明
中堅私立医大の入学試験で、女子受験生の点数が一律減点されている―疑惑を耳にした新聞記者の桧葉菊乃は極秘取材を試み、医大理事・神林晴海に接触する。一方の晴海は大学当局から不正の揉み消しを命じられていた。社会にはびこる女性差別と闘う二人がその立場ゆえに対立する。正義とは。信じるものとは。二人の「対決」の果てに見える地平を描く傑作長編。
著者等紹介
月村了衛[ツキムラリョウエ]
1963年生まれ。早稲田大学第一文学部文芸学科卒。2010年『機龍警察』で小説家デビュー。’12年『機龍警察 自爆条項』で第33回日本SF大賞、’13年『機龍警察 暗黒市場』で第34回吉川英治文学新人賞、’15年『コルトM1851残月』で第17回大藪春彦賞、『土漠の花』で第68回日本推理作家協会賞(長編及び連作短編集部門)、’19年『欺す衆生』で第10回山田風太郎賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
のり
48
医大への裏口入学の発覚。さらに女子受験生の点数が一律減点の情報を得た新聞記者の「檜葉菊乃」。シングルマザーで一人娘を育てながら奮闘してきた。その娘も医大を目指している真っ只中。医大の窓口となる理事の「神林晴海」。彼女もまた理不尽に耐えてきた。それでも慕われ度は凄い。大学の不正には心痛極まりないが、大学と学生を守る気持ちの板挟み。この強き二人の女性。立場は対極にあるが、通じる思いが多々ある。差別とは…考えさせられる。2026/03/06
うさぎや
8
女性差別にさらされ続けてきたふたりの女の「対決」。その結末まで含めて、これが現実。2026/03/04
chika's
6
この事件が報道された当時こんな事が本当にあるのかと愕然とした。受験生は1点のために必死になっているのに。医療現場の実情もわかるがならばそれを詳らかにした上で募集要綱などにに明記すべきでしょ。さらに本書にはセクハラ、パワハラ、アカハラを何とも思わない男たちも登場する。檜葉と神林は立場上敵対するがともに女性差別•不平等に傷つきながらも立ち向かう。ジェンダーギャップ指数が世界最低ランクの日本。どうする?作中にある"お互い考えながら折り合いをつけていくしかない"のか?2026/03/20
パン粉
5
めっちゃのめり込んで読んだ。月村作品は展開が気になるあまり速読になる傾向がある。今作は医大入試における女子学生の一律減点という不平等案件をフィクション仕立てにして扱ってるので、起承転結の結はある程度見えてるのだけど、それでも「どうなっちゃうの!」とページを捲る手が逸った。女性差別について読んでてキツく感じるほど描写されてる。こういうことあったなあみたいな自身の記憶まで呼び起こされたりした。ともかく面白かった。差別全般についての記述も、私にはとても納得できる、おキレイなまとめばかりでないとこも良かった。2026/03/04
akubita
4
書店でドラマ化の帯を見て読むことに。医大で実際にあった、女子受験者を一律減点するという、どストレートな女性差別問題を題材にしている。今でも新鮮に怒りが沸くことだけに、軽い扱いをされていないことを祈りながら読んだが、読みやすい展開の中で直接的にしっかりと問題提起されていて良かった。当時も「周りでこんな話聞いたことない」「私は差別なんてされていない」という声を目にし、ここまで分かりやすい差別が明らかになってもそれなのか、と落胆したが、他人事とせず未来の女性のために自分が何をできるのか考え続けなければいけない。2026/03/25
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