出版社内容情報
長年ひきこもっていた19歳の諒太と44歳の大知。双方の家族が縋ったのは、新宿にある自立支援センター。
強引に自宅から引き出された二人は、ほかの三人とともに、元警察官が営む熊本の研修施設で囚人のような生活を強いられる。
施設長は巨体の大女だ。悪魔のような彼女に監視され、辛い日々が続く中、監獄のような扱いに抗い五人は施設長を殺めてしまう。
必死にもがき、社会に怯えるように生きてきた彼らの終わりが始まる――。
【目次】
内容説明
あの日を境に、生まれ変わったんだ。孤独、恐怖、絶望。家から強引に引き出された男女五人。炸裂する自我、秘密を共有した者たちの乱。ひとりじゃなかった。『正体』『悪い夏』で大ブレイク!今を抉る胸熱のエンタメ長編!!
著者等紹介
染井為人[ソメイタメヒト]
1983年千葉県生まれ。芸能マネージャー、舞台演劇・ミュージカルプロデューサーを経て、2017年「悪い夏」で第37回横溝正史ミステリ大賞優秀賞を受賞して作家デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
akiᵕ̈
21
引きこもり歴7年間の20歳目前の僚太と、歴20年間の44歳の下田が、親の依頼した自立支援センターの面々に強制的に連れ出され、熊本にある研修所に連れて行かれる。そこは権力の元、有無を言わせない時代錯誤な監獄の様な場所だった。2人は先に入居している3人と共同生活をしていく。表向きとはまるで違うブラック支援なるこの場所で一体どうなってしまうのか!?筆者らしいエンタメ度高めな展開にハラハラしながらもラストまで気が抜けない。社会に蔓延る善意の裏の闇、"ふつう"である事、"こうあるべき"の呪縛を思い知る。2025/08/24
ゆり
6
最初はひきこもりした人たちの他責思考に少しイラッとしながらも、あまりに酷い施設の状況や、そんななかでも希望を捨てず前向きな姿勢にページを捲る手が止まりませんでした。大知の母親目線で語られる描写には胸が苦しくなりました。みちるもやってることは最低ですが、背景を考えるとなんともいえない感情に襲われました。染井先生はこういった社会問題のブラックな面を軽やかに描くのが本当にお上手だと思います。実在しそうな絶望感と、現実社会にはこんなところあってほしくないという希望が入り混じる読後感でした。2025/08/22
みかん
5
頁を捲る手が止まらない面白さがあった。“ひとりじゃなかった”の意味が見えてきたときに、人間の愚かさを痛感し、同時に人間の優しさや脆さを感じずにはいられない物語だった。2025/08/21
a.i
4
★★★★デビュー作からずっと追っているけど、とにかく読みやすいし、常に頭の中に映像が浮かんでいて、登場人物が動き回る感じ。面白かった。ドラマ化したらよさそう。2025/08/23
黒木文庫
1
社会問題と化している「ひきこもり」。本人にとって、家族にとっての大きな問題に違いない。今回、初めて「ブラック支援」という言葉を知った。どの世界にも困った人を喰い物にしようという輩がいる。当人にも親にも感情移入しながら読んだ。2025/08/27