出版社内容情報
下り酒問屋『千石屋』の女将、麻は、並の女より頭ひとつ大きくて、酒の飲みっぷりも大したもの。そして他人を思いやる心も人一倍。一方、主人の鶴次郎といえば、下戸だが、頭が切れて町内でも頼りにされる存在だ。そんなふたりのもとには、密航した子どもからなまりが抜けない役者まで、様々な相談事が舞い込んで……。川開きを迎えた新川河岸の人々の心の触れ合いを描くシリーズ第三弾!
【目次】
第1章 マンダラとは何か
聖地高野山/インド密教とマンダラ/マンダラとは何か/マンダラ研究の歴史/観想上のマンダラと儀礼のためのマンダラ/密教儀礼とマンダラ
第2章 インドの宗教儀礼
儀礼―反復される行為/ヴェーダという儀礼体系/ヒンドゥー儀礼への変容/インドの宗教儀礼の一般的特徴/ヴェーダの祭式/ヒンドゥー儀礼プージャー/プージャーの形成 /密教儀礼に見られるユニット構造/密教の瞑想法
第3章 マンダラをつくる
マンダラ―聖なる空間/マンダラを描く土地の選定と浄化/土地を支配する龍ヴァーストゥナーガ/経典内容の再現/結界法/大地の女神との対話/水瓶の準備/寺院建築儀礼との対応
第4章 マンダラの図像学
子供の絵とマンダラ/儀礼のためのマンダラ/マンダラの基本線/楼閣の構造/マンダラの装飾/楼閣内陣のシンボリズム/彩色のプロセス/複数の視点と観想のプロセス
第5章 聖別の儀礼
水のイニシエーション/『大日経』のアビシェーカ/『金剛頂経』のアビシェーカ/後期密教におけるアビシェーカの展開/プラティシュターという儀礼/プラティシュターとアビシェーカの関係/ヴェーダ文献の国王即位儀礼/ヒンドゥー儀礼としてのプラティシュター/聖別儀礼の形成/聖別の儀礼とマンダラ
第6章 拡大するマンダラ
マンダラを壊す/マンダラとストゥーパ(仏塔)/寺院へのマンダラの投影/ペンコル・チューデの仏塔/空間を体験する
文庫版自著解説 視点の発見