出版社内容情報
江戸市中では打ち毀しが続く幕末。「からくり錠の三五郎」と呼ばれる錠前師の元に用人風の武士が駕籠で訪れた。依頼を快諾した三五郎はある武家屋敷へ。「鍵がなくなった錠前を開けてほしい」といわれ堅牢な扉に挑むが、鍵穴から見えたのは湯文字姿の女。そこから三五郎はとんでもない事態に巻き込まれ……。他にも変わった凧師や拘りの化粧師など江戸の暮らしに根付いた職人たちの人間模様を描いた珠玉の九編を収録した傑作短編集。
内容説明
江戸一の名人錠前師がやんごとなき筋から頼まれたのは、かなり奇怪な仕事だった。(「解錠綺譚」)ほかに鳶凧に執着する凧師、竹に魅入られた葛籠師、人形に命を吹き込む希代の天才人形師、道具にこだわりすぎる大工の棟梁や女刺青師など、作家・佐江衆一にしか描けない江戸のこだわりの職人たちの息遣いが聞こえる。珠玉の傑作九篇を収録した名作がここに復刻。ご堪能あれ!
著者等紹介
佐江衆一[サエシュウイチ]
1934年、東京都生まれ。コピーライターを経て’60年、短編「背」が新潮社同人雑誌賞を受賞して作家デビュー。「繭」「すばらしい空」などで5度芥川賞候補となり注目された。’90年、『北の海明け』で新田次郎文学賞、’95年、『黄落』でドゥマゴ文学賞、’96年、本作『江戸職人綺譚』で中山義秀文学賞を受賞。他に『横浜ストリートライフ』『子づれ兵法者』『風狂活法杖』『神州魔風伝』『捨剣 夢想権之助』『江戸は廻灯籠』『士魂商才 五代友厚』など著書多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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