出版社内容情報
律の悪阻はだいぶ落ち着いたが、今までのように仕事ができないことも多い。周りの助けもうけつつ、焦らず目の前のことに取り組もうとしている。そんな折り、師匠の今井から指南所の歌留多を一新したいと依頼された。伊三郎が昔描いた一式が古くなり、「い」の取札は失くなってしまっているという。子どもたちに歌留多を新しくすることを告げた翌日、今井を訪ねてきた一人の男児が――。人気シリーズ第十一弾!
内容説明
律の悪阻はだいぶ落ち着いたが、今までのように仕事ができないことも多い。周りに助けられつつ、焦らず目の前のことに取り組んでいる。そんな折り、師匠の今井から指南所の歌留多を一新したいと依頼された。子供たちにも歌留多を新しくすることを告げた翌日、訪ねてきたある男児が話したのは―。ひたむきに生きる律の姿が感動を呼ぶ、人気シリーズ第十一弾!
著者等紹介
知野みさき[チノミサキ]
1972年生まれ、ミネソタ大学卒業。2012年『鈴の神さま』でデビュー。同年『妖国の剣士』で第4回角川春樹小説賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
真理そら
46
今井先生の過去の恋、涼太の隠し子騒動、盗賊に狙われた女の悲劇、綾乃さんの新しい挑戦。鞠巾着に続く商品開発に悩む律、と盛り沢山な内容だったが、まだ律の赤ちゃんは登場しない。大きなおなかであれこれ動き回る律の身が心配で読者はハラハラします。次回はサクッと出産、おめでたいムードでお願いします。結婚してから涼太が影薄なので青陽堂の若おかみとしての律の日常も知りたいなあと思う読者なのである。2025/08/05
のんちゃん
40
上絵師にしてお上の依頼で似面絵も描くお律の活躍を描く物語、第11弾。好きな作家さんで何年も前から読んでいるシリーズなのでやめられないが、流石にちょっと冗長かなぁと感じてきた。今回、お律はいろんな人々との関わりから歌留多絵の守り袋を発案し、商品化の目処をつける。次作でこの守り袋の話とお律の出産と綾乃の恋路が回収されれば、もう、懸案事項はなかったっけ?次作を楽しみに待てる位の時に終焉が良いのかなと感じた。知野先生は他のシリーズも面白いので、お律さんは明日も江戸の空の下で幸せに暮らす、で閉めていただきたいかな。2025/06/08
kayo
18
一冊通して歌留多が鍵になってます。意匠としても良いアイテムですね。律の悪阻も治り上絵の仕事もそつなく運んでいます。涼太との夫婦仲も順調で二人が話の軸になっておりますが、私としては佐和と類の女将ズの活躍をまだまだ希望いたします。しかしながらシリーズ長くなり、狭い界隈のお話の中に登場人物が多すぎて誰が誰やら。一章の中に詰め込む人物はもう少し絞って欲しいですし、話が散漫で一冊読むのに集中できなくて困りました。律の出産は次作かなぁ、そろそろ終盤なのかな。2025/06/09
*+:。.もも.。:+*
17
お上公認の似面絵師をやってる以上仕方ないんだろうけど身重の律がまた事件に巻き込まれる。 今回は綾乃さんがナイスフォローしてくれたけどそれはそれで危なっかしい。お願いだから出産まで穏やかに暮らしてほしい。鞠巾着に続く商品開発がうまくいきそうで流石は池見屋の類さんは商売上手。守り袋なら老若男女問わないし小さめだから律の負担も小さい。出産後も安泰だ。2025/06/28
onasu
16
律は妊娠中も上絵の仕事を続けていたが、知野さんは中々産ませてくれない。(失笑) 先ずは隣家の手習いの師匠・今井が古くなった歌留多の新調を頼んでくる。タイトルにある歌留多だが、前半では重要アイテムにも見えなかったが…。次いで、料亭の娘の綾乃が突飛なお願いをしてくるは、今井の教え子だった女児が助けを求めて駆け込んでくるは。上絵では、巾着の新たな絵柄を模索するが、ダメ出し続きとは初期の頃のよう。 11作目ともなれば、登場人物には事欠かないようでそれはそれでよく、諸々次巻への期待を持たせているのにも好感。2025/07/15
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