出版社内容情報
新進気鋭の文筆家による、言葉にまつわるエッセイ集。セネガル人の父を持つ「ハーフ」ゆえに日本語に執着してしまうという著者。“それでも、私は日本語が好きだった。椎名林檎の歌が好きで、谷川俊太郎の「信じる」が好きで、男の人がふと漏らす「あら」の響きが好きだった。日本語は美しいと、感じることができる自分が好きだった”――残酷でやさしくて美しい言葉との邂逅を独自の視点ですくい上げ、唯一無二の世界を紡ぎ出す。
内容説明
私の言ってること、わかりますか。今、どれだけの人が私の言葉を抱き留めてくれるだろう。この世界が真っ暗闇になって、お互いの姿形がわからなくなったとしても、私が選んで口に出した言葉で私だって気づいてくれる人が、一体どれだけいるのだろう。言葉たちへの恋心に混じってしまった数滴の薄暗い疎ましさ。血は今日も心臓を巡り続けて、私は言葉を書いている。もっと知りたい。こんなとき、貴方になんと伝えようか。もっと聞きたい。貴方はなんて言ってくれるのか。この身体には美しい言葉たちが巻きついて、私はもう、どこへだって逃げられないのだ。
目次
言葉
渋谷、泣き上戸
へい拓ちゃん
「ありがとう」の呪い
世の中に人の来るこそうるさけれ とはいふもののお前ではなし
傷つきました
成人の日~みんなおばさんになるよ~
タカイタカイオババ
後遺症
しつこいナンパ
慰めの技術について
積み木の塔
声は小さい、気は強い
ちゃっかしいの謎
自慢じゃないけど
黒人好きならエロい歌歌えばいい
復讐
言葉は歌なり歌は言葉なり
libert´e
アイゴヤ
くさい
あんたみたいな
絶句
愛しの津軽
同じ名前
地頭が良い
スープカレー屋
無口な客
わたしはわたし
「呪い」と誰かが口にする
著者等紹介
伊藤亜和[イトウアワ]
1996年横浜市生まれ。文筆家。学習院大学文学部フランス語圏文化学科卒業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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