出版社内容情報
吹雪に閉ざされた山荘で若い男の死体が発見される。だがそれは、続く惨劇の序曲に過ぎなかった。被害者が2人、3人と増える中で、残された者たちは互いに疑心暗鬼に陥る。彼らの精神状態が極限に達し、自らに眠る獣が牙を剥いた時、誰も予想し得なかった地獄絵図が繰り広げられる……。近年、旧著が続々と復刊される飛鳥部勝則の作品のうち、最恐の衝撃作が、20数年の時を経て待望の文庫化!【解説】阿津川辰海
内容説明
吹雪の山荘で起きた連続殺人。残された者たちは互いに疑心暗鬼に陥り、次第に精神的に追いつめられていく。「突きとめられないなら、全部殺してしまえばいい」。焦燥感が極限に達したとき、己の中の“獣”が牙を剥いて、舞台は凄惨な地獄絵図と化す…。近年、旧著が続々と復刊される飛鳥部作品の中でも“最恐”の衝撃作が、二十数年の時を経て待望の文庫化!
著者等紹介
飛鳥部勝則[アスカベカツノリ]
1964年、新潟県生まれ。新潟大学大学院教育学研究科を修了。’98年に『殉教カテリナ車輪』(東京創元社)で第9回鮎川哲也賞を受賞しデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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雪紫
60
文庫にて再読。22年の時を経て文庫に。「黒と愛」前日談にして「今」の飛鳥部さんの作風を簡潔に説明するのに相応しい1冊。やっぱり伏線も出て来る奴らもイカし・・・いや、盛大にイカれてますわ(もうやだ家族愛ほとんどなし!)。でも好きなのよこの世界(あれ、飛鳥部さん同姓同名そういう認識なの?)。そして阿津川さん、貴方飛鳥部さんの短編どんだけ抑えてるの(うらやまっ!)2025/04/12
モルワイデ鮒
13
この序章で吹雪の山荘?先に読んだ『堕天使拷問刑』に比べて明らかにイカれてる登場人物で、あっちに行っちゃうのかこっちに留まるのか、じわじわ滲み出てくるカオスが爆発して、でもちゃんと丁寧に伏線張ってたのねっていう緩急で面白かった。一つだけ仕掛けを見抜けてうれしい。犯人なんか分かりゃしない。2025/04/20
Porco
12
飛鳥部勝則に関しては、アキバの書泉が長年コーナー作って推してるカルト作家という印象で作品は未読。しかし、とうとうこの文庫化で飛鳥部作品を読めたのがまず嬉しい。話の骨子はどうしようもなく「吹雪の山荘」もののクローズドミステリだが、最後の唐突な展開やタイトルのラミアの意味といい、話自体はファウスト系作家の「新伝綺」作品と空気感が似通っているように思える。その系列の作品が嫌いではないので、登場人物の奇矯な言動も合わせて一気に読めた。2025/04/30
ジャム
7
吹雪の山荘の連続殺人で犯人がわからないならいっそ全員殺してしまえばいい...鬼才飛鳥部勝則氏22年目にして初の文庫化を果たした衝撃の問題作「ラミア虐殺」。意外にも短編「羅漢崩れ」をのぞくと初の単著での飛鳥部作品でしたが00年代のメフィスト賞作家作品を思い起こすような奇抜な設定でのクローズドサークルミステリに大いに興奮させられました!文体も非常に読みやすく最強の登場人物たちが奏でる怒涛のクライマックスまでほぼ一気読み!本当に怖いのは....。「堕天使拷問刑」や他の作品も読みたいですね。2025/04/12
mao
5
22年前にこの作品に何故出会わなかったのだろうか…。 私の好きな吹雪の山荘で起きた連続殺人。残された者たち。 これはミステリーなのか。それにしては、己の中の"獣"が牙を剥くと。ほんとに最恐の衝撃作でした。私は最後がすごく好きですね。2025/04/17