出版社内容情報
私は、ずっと前から、滑走路で助走していたのかもしれない――パリからの留学生と暮らしを共にすることとなった夫婦、自分の強みを生かして奮闘するツアーコンダクター、もう辞めようかと悩む書店員、ある事件の影響で飛行機はおろか空港にすら近づけない女性……。空港では、多くの人びとがすれ違い、時に交差する。みなそれぞれに屈託や葛藤を抱えながら、それでも明日を信じて。
内容説明
パリからの留学生と暮らしを共にすることとなった夫婦、自分の強みを生かして奮闘するツアーコンダクター、もう辞めようかと悩む書店員、ある事件の影響で飛行機はおろか空港にすら近づけない女性…。空港では、多くの人びとがすれ違い、時に交差する。みなそれぞれに屈託や葛藤を抱えながら、それでも明日を信じて。日常のきらめきをすくいあげる、あたたかな6つの物語。
著者等紹介
飛鳥井千砂[アスカイチサ]
1979年愛知県出身。2005年『はるがいったら』で第18回小説すばる新人賞を受賞しデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ゆみねこ
84
空港を舞台にした6つのストーリー。娘の友人であるパリからの留学生を迎える家族・海外旅行の添乗員・空港内の書店員・グランドスタッフ・ディスプレイ職人・NYの9.11テロで飛行機に乗れなくなった女性。冒頭とタイトルになった物語以外の4編はお仕事小説。添乗員さんが描かれた「扉のムコウ」とディスプレイ職人さんの「夜の小人」が好き!面白かった。2025/06/22
えんちゃん
55
とある空港を舞台にした短編集。ゆるく連作しているので『あ!あのひとだ』って分かるとちょっと嬉しい。短編だけど飛鳥井さんお得意の心理描写の細やかさゆえ、続けて読むと登場人物がいっぱいで結構おなかいっぱいになるので一話づつ読む方がお勧めかな。それこそ空港ロビーの待合室でさくっと読んだら洒落てる感じ。空港の雰囲気が素敵なのは、そこに働く人たちが素敵だからでしょう。久しぶりに飛行機に乗りたくなりました。海外は行きたくないので国内で。2025/05/13
papapapapal
42
空港を舞台に、ゆるゆると繋がった連続短編。宝探し要素や遊び心があるこの手の短編集は大好き。1〜5話は初出が2012〜15年、コロナ禍前後のお話になるように修正が入ってる? 空港で働く様々な業種の人たち、特に添乗員さんとディスプレイ職人さんのお話、夢があって良い! 誰の人生にも輝くような物語が潜んでる。 第6話だけ毛色が違い…テロやら震災やら、読んでいて辛い部分もあるけど、総じて元気をもらえる一冊だった。多かれ少なかれ、この世界の誰もが傷や十字架を背負って生きている。2025/05/23
sayuri
37
「外国の女の子」「扉ノムコウ」「空の上、空の下」「長い一日」「夜の小人」「This is the airport」空港を舞台にした6話収録の連作短編集。爽快感がありとても良かった。ツアーコンダクター、空港内の小さな書店で働く女性店員、グランドスタッフ、夜に作業する空港ディスプレイチームなど職種は様々だが登場人物の葛藤や情熱、心の揺れがリアルで共感ポイントが一杯。表題作は実際に起きたアメリカ同時多発テロや大震災、パンデミックが描かれているのでハードだが、人と人が繋がる事で生まれる力に未来への希望を感じた。 2025/04/07
えりこんぐ
26
空港を利用する人、そこで働く人、それぞれがゆるく繋がる短編集。どの話もじんわり沁みていいなと思えた。特に表題作は、重い内容を含みながらもとても読み応えがあった。【図書館】2025/07/13
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