光文社新書<br> 文化系のための野球入門―「野球部はクソ」を解剖する

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光文社新書
文化系のための野球入門―「野球部はクソ」を解剖する

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  • サイズ 新書判/ページ数 320p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784334105877
  • NDC分類 783.7
  • Cコード C0275

出版社内容情報

日本のインターネット空間では、電通やJASRACと並んで「野球部」が悪の代名詞となっている。曰く、「中学・高校時代の野球部が偉そうで嫌いだった」「野球部員たちが女子生徒に対してアリかナシかの容姿ジャッジをしていた」「文化部員たちを虐げていた」「野球部の大会で真夏に全校応援に駆り出された」等々……。だが、「野球部」や「体育会系」を批判する論調は根強く存在しても、その解像度はかなり粗い。なぜなら、そこには当事者がまったくいないからだ。一方、スポーツジャーナリズムは野球やスポーツの価値そのものを疑うことはなく、すでに確立されたスポーツの価値に乗っかったままスポーツを礼讃することばかりに専心している。また、野球やスポーツをテーマにした書籍や学術的な研究は数多あるが、そのどれもが「選手個人」や「あるチームのある時期」をピックアップして細かくディティールを伝えるものにとどまっている。私たちと「野球」がどのように付き合っていけばよいか、という議論はほぼ存在しないと言ってよい。「野球文化が今の形になっているのはなぜか」という根本的な問いを通じて、これまでは非常に断片的だった野球をめぐる語りを整理し、ミクロからマクロまで、この国の「野球文化」に見通しをつける。

内容説明

根性論ばかりで、性差別的で、上下関係に厳しく、集団で群れて偉そうにしている―。いわゆる文化系の人間やSNSの世論を中心とした、野球部、そして体育会系への批判は根強い。しかし、実はそうした野球(部)に対する理解の方が、ステレオタイプで画一的なものではないだろうか?アメリカの野球創世“神話”、一高のエリート主義、天狗倶楽部のバンカラ精神、朝日新聞と甲子園、戦後民主主義と武士道野球…そういったものの上に、現在の「野球文化」は成り立っている。野球というスポーツを漫画やアニメと同じポップカルチャーとして捉え、批評を通じてこの国の野球と社会をつなぎなおす。

目次

第1章 “体育会系”としての日本の野球文化
第2章 現代の“体育会系”はどうなっているのか?
第3章 アメリカの「創られた野球神話」
第4章 エンジョイ・ベースボールから「魂の野球」へ―戦前のトップエリート校・一高で起こった変化
第5章 天狗倶楽部と野球害毒論争―早慶戦から甲子園野球の誕生へ
第6章 「帝国主義」と日本野球―大正~昭和の論点
第7章 戦後日本野球とさまよえる男性性―武士道とスポーツジャーナリズムから
第8章 野球とスポーツの価値論

著者等紹介

中野慧[ナカノケイ]
編集者・ライター。1986年、神奈川県生まれ。一橋大学社会学部社会学科卒、同大学院社会学研究科修士課程中退。批評誌「PLANETS」編集部、株式会社LIG広報を経て独立。現在は「Tarzan」などで身体・文化に関する取材を行いつつ、企業PRにも携わる。クラブチームExodus Baseball Club代表(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

よっち

29
大谷翔平ら日本人メジャーリーガーの活躍が埋め尽くすテレビのニュースと、インターネットやSNSの世界のねじれが生じている原因を野球の歴史から考察する1冊。体育会系としての日本の野球文化はどのように変わってきたのか、そして現代の体育会系はどのようなものになっているのか。アメリカの創られた野球神話、戦前の日本トップエリート校・一高で起こった変化、天狗倶楽部と野球害毒論争や、「帝国主義」と日本野球、戦後日本野球やスポーツの価値論から野球の位置付けがどのように変わっていったのかを解説するなかなか興味深い1冊でした。2025/04/07

佐倉

15
煽情的なタイトルではあるが、アメリカでの野球の成り立ちから日本での定着、そして戦後から現代までの長い射程で「なぜ野球がこのような立ち位置にあるのか?」を紐解いていく好著だった。一高などで受容されたサブカルチャーが批判にさらされる中で国家というメインカルチャーへの目配せ的に武道的な面を押し出していく流れ、その中で野球を楽しむという方向性へと回帰する天狗倶楽部の存在、戦後にメインカルチャーとして返り咲く中、かえって軍国主義的な面がにじみ出てくるという流れ…野球に限らずスポーツ全体の問題点を考えさせられる。2025/04/30

さとうしん

15
高校野球の構造的問題、女子マネに示されるジェンダーの問題から始まってアメリカでの野球の発祥、日本での受容と野球害毒論争、中国東北部や台湾など外地での広まり、そして戦後の展開と課題といった具合に話題が詰め込まれていて読み応えがある。結論としては学校を出て就職した後も、野球経験者も未経験者も、あるいは男性だけでなく女性も野球ができる(あるいは続けられる)環境を整えていくべきということになるんだろうか。2025/04/12

電羊齋

13
野球部・体育会系への否定的イメージから説き起こし、野球部ひいては野球界の抱える問題を解剖する。明治大正にすでにあった勝利至上主義批判、本来包摂的特性を持っていた野球が次第に「男らしさ」に回収されていく過程、高校野球の問題、「男性性」の象徴の「軍人」から「野球選手」への移行、そして「見るスポーツ」としての消費、スポーツ新聞と「Number文学」に見られる野球への技術論的・批評的視点の欠如など興味深い指摘が多い。体育会系、文化系、ジェンダーの枠に囚われない野球、体育、スポーツの在り方を訴える著者には賛同。2025/04/21

Katsuto Yoshinaga

10
就職市場で「体育会系神話」と言われる優良企業への就職が有利となる現象を、体育会系部活動はメリトクラシー(能力主義、業績主義)の裏ルートであり、正々堂々ではないアンスポーツマンライクな現象であると語られている。私は熱心なプロ野球(NPB)ファンを自認しているが、この体育会系神話とアマチュア野球の道徳的かつ共同体中心主義的なところに不満を持っていた。そんな私には、本書で書かれているエンジョイから”魂”への変遷と批評は面白かった。しかし、精神論批判の精神論と感じるところも多少あり、そこはちょっと不満だった。2025/03/26

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