出版社内容情報
260年続いた江戸時代から連綿と続く職人の世界。江戸は「職人の時代」といってもいいほどだった。小紋の意匠にこだわる魚油問屋の主、物知りな鏡磨ぎ、針よりも剣が得意な縫箔屋の娘、禁断の鼈甲細工師、命懸けで藩士のために作る鞘師、熱き魂のからくり人形師、心優しい錦絵の摺師……。乙川優三郎、野口卓、あさのあつこ、梶よう子、五味康祐、南原幹雄など名作家が〝江戸の仕事師〟の生き様を見事に描いた傑作七編を収録。
内容説明
二六〇年続いた江戸時代から受け継がれる職人の技。江戸はまさに「職人の時代」といってもいいほどだった。小紋の意匠にこだわる魚油問屋の主、物知りな鏡磨ぎ、針よりも剣が得意な縫箔屋の娘、熱き魂のからくり人形師、禁断の鼈甲細工師、命懸けで藩士のために作る鞘師、心優しい錦絵の摺師…。まさに“江戸の仕事師”の生き様を見事に描いた傑作七編を収録。
著者等紹介
菊池仁[キクチメグミ]
1944年、神奈川県生まれ。文芸評論家。歴史・時代小説の評論を中心に活躍(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
onasu
12
あさのさんのシリーズもの(続編既読)の取っ掛かりを楽しみに手にしたが、初編の初めましての乙川優三郎氏から中々の味わい。 小紋の型を彫る職人をしていた由蔵は、兄が急死したため生家の魚油問屋に戻り、添おうとしていた同じく職人をしていた女とも縁が切れて9年。それだけ離れていれば、過去は過去としそうなものだが、甥への中継ぎを期待されており、宙ぶらりんなところもあって、着道楽の料理屋の女将からあつらえた小袖を見せられて…。 初編もそうだが、職人技を対象物にしたものが混ぜられているのも好編集だった。2025/07/03
陽ちゃん
6
初読みの作家さんや作品に出会えるのがアンソロジーの醍醐味かも知れませんね。職人がテーマの今回も、未読の作品に出会えました。特に、梶よう子さんの「かけあわせ」は他のお話も気になるので、探して読んでみようかと思っています。2025/01/14