出版社内容情報
必ずしも一般的とはいえない文学賞でデビューし、社会の暗黒面を描き続けた作家・日向誠。その隣にはいつもデビュー以来寄り添ってくれた編集者・磯川がいた。日向がデビューするに当たり、磯川はある予言をする。「人気作家にはなれるが、大きな文学賞とは無縁になる」と。小説家と編集者、それぞれの信念と作品への情熱で結ばれた文壇バディの未来は、どこに向かうのか!?
内容説明
必ずしも一般的とはいえない文学賞でデビューし、社会そして人間の暗黒面を描き続けた作家・日向誠。ずっとそばに寄り添ってくれた編集者・磯川とは「小説」という絆で強く結ばれていたが、いいことばかりが続くわけはなかった。暗黒小説を発表して強い支持を集める一方で、読者のネガティブな反応を恐れず純愛小説にも挑戦し、大きな成功を収めた日向だった。ところが、ある一件で磯川は小説の世界から遠のくことに…。
著者等紹介
新堂冬樹[シンドウフユキ]
1998年に『血塗られた神話』で第7回メフィスト賞を受賞し、デビュー。“黒新堂”と呼ばれる暗黒小説から、“白新堂”と呼ばれる純愛小説まで幅広い作風が特徴(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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starbro
178
新堂 冬樹は、新作をコンスタントに読んでいる作家です。 本書は、黒新堂でもなく白新堂でもない自叙伝的作家小説、作家のリアルが解り面白いですが、著者はもう小説を書かないのでしょうか❓ https://www.kobunsha.com/shelf/book/isbn/97843341051362025/01/07
nonpono
62
久しぶりの新堂冬樹。街金、宗教、ホストといろんな世界を見せてくれた。グロい描写もあるがテンポとスピード感にだんだんわたしの身体が乗るんだ。村山由佳の文学賞にこだわる作家の本が読みたくて対比として手に取るが、まさにこの物語は新堂冬樹の生き様じゃないか。新堂冬樹も主人公もルノワールものから、純愛ものも描いていく。わたしは純愛ものは読んだ記憶がないが、新堂冬樹、主人公のいろんな世界を描きたい、そして才能に惚れきり伴走する編集者との絆に夢中になっていった。直木賞を「取らなかった」が、書き続ける男の格好良さよ。2025/02/18
hirokun
53
★4 新堂さんは新刊を中心に読んでいる作家さんだが、読み始めたからの期間が短いためもありこれほど多くの作品を創作している作家さんとは知らなかった。今回の作品は、自叙伝的小説なのだろうが、作家と編集者のお仕事小説とも読める。新堂さんの経歴と作家としての歴史が理解でき今後彼の作品を読んでいく時の参考になったと思う。淡々として語られる文章ではあるが、十分に楽しませてくれる作品だった。2025/02/08
tetsubun1000mg
40
タイトルの「直木賞」を捨てたというセリフから始まるのだが、段々と文章に魅入られたように止まらなくなり深夜まで掛かって一気読みでした。 こんな小説は久しぶり。 新堂氏の小説は「闇金」や「バイオレンス」などの印象で手に取らなかったが、この小説はまるで新堂氏の実話の様な感じがしたのだが、Yahoo先生によると見た目は金髪、ガングロ、サングラスとそのままで、芸能プロダクション社長との事。 巻末の筆者略歴では黒新堂と白新堂と全く違った作風の作品を作っており映画化されているらしい。 どこまでが実話なんだろうか?2025/03/09
rosetta
38
★★★☆☆白新堂黒新堂とは以前から言われていたが、ここ数年は読者を舐めた手抜きの本ばかりでクソ新堂と呼んでもう二度と手に取る気はなかったのだけど、読み友さんのレビューを見て久々に興味を持った。自伝的な小説という触れ込みで、出版の隠された内幕とかよくあるっちゃよくあるけどそれなりに面白い。デビュー当時過激な表現で読書界の話題になったが年を経て世間がコンプラに煩くなったせいで自由な文章を書けなくなり、そのせいで手抜きと言われるようになったと書いているけど、そんな理由だけで今のこんな駄作の連発になる筈がない2025/05/06