出版社内容情報
グローバルサウスとはインドや中東、アフリカ諸国をはじめとした地域を指す言葉であり、西側諸国にも中国・ロシアにも与さない、国際政治における第三極のグループだ。爆発的な人口増加と経済成長を武器に国際社会で大きな影響力を持つようになった彼らは、既存の国際秩序にどのような不満を持ち、どう変えたいと思っているのか。米中対立とはどう関係してくるのか。そして日本は彼らとどう付き合っていくべきなのか。
内容説明
「グローバルサウス」(Global South)とはかつて、世界の北のほうに多い先進国と南のほうに多い発展途上国の間の経済格差、いわゆる南北問題について、途上国の総称として用いられていたことばだ。このことばがいま、新興国・途上国の総称としてつかわれている。代表的な国はインドやブラジル、南アフリカなどで、中東のUAEやサウジアラビアも当てはまる。米欧の側にも中ロの側にも全面的にくみすることなく、大国間の綱引きの状況を利用して、自国の安全保障と経済的な利益を確保しようとする。常に中立を保つのではなく、自国の利益になるのであれば、テーマごとにどちらの側とも連携することがある。彼らはいったい、どのような思考体系と行動原理を持つのか?日本は彼らとどう付き合えばよいのか?グローバルサウスを軸に、世界の変化とその行方を考える。
目次
第1章 なぜいま「グローバルサウス」なのか
第2章 グローバルサウスの覚醒
第3章 「理」ではなく「利」で動く国々
第4章 中東危機とグローバルサウス
第5章 中国の変調とグローバルサウス
第6章 これからの国際秩序
著者等紹介
脇祐三[ワキユウゾウ]
1952年生まれ。’76年一橋大学経済学部卒業、日本経済新聞社入社。’80~’81年カイロ・アメリカン大学留学。’85~’88年バーレーン特派員、’90~’93年ウィーン特派員、’93~’95年欧州総局編集委員。その後、論説委員兼編集委員、国際部長、論説副委員長、執行役員などを経て2019年に退社。現在は日本経済新聞社客員編集委員。BSテレビ東京の「日経モーニングプラスFT」などで、金融市場から戦争まで幅広く国際情勢を解説する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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