出版社内容情報
死を前にした人間を「未練」から解き放つため、天から遣わされた死神、クロとレオ。クロが出会った、恋人を喪った青年の未練に向き合ううち、町で頻発する不審火の謎が浮かび上がる。2匹は力を合わせて謎に立ち向かうが、思いがけない強大な敵と向き合うことに。壮絶な戦いの末、レオとクロは、消えてしまうのか――? 大人気シリーズの第三弾!
内容説明
人間を未練から解放し「地縛霊化」を防ぐべくキュートな動物の姿を借りて地上に遣わされた死神、レオとクロ。町で謎の人魂が目撃され、連続放火事件が発生する中、クロは強い未練を持つ青年と出会い、レオはある女性の切ない思いを叶えようとする。そして二匹の追う事件は重なり合い、ともに深い闇に挑むことに。大きな感動を呼ぶ大人気ミステリーシリーズ第三弾!
著者等紹介
知念実希人[チネンミキト]
1978年、沖縄県生まれ。東京慈恵会医科大学卒、日本内科学会認定医。2011年、第4回島田荘司選ばらのまち福山ミステリー文学新人賞を『レゾン・デートル』で受賞。’12年、同作を改題した『誰がための刃』で作家デビュー。「天久鷹央の推理カルテ」シリーズが人気を博し、『仮面病棟』が’15年啓文堂書店文庫大賞を受賞、ベストセラーに(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
イアン
128
★★★★★★☆☆☆☆動物たちの仕草がキュートな死神シリーズ第3弾。黒猫のクロは山中で自殺を図ろうとする男に、ゴールデンレトリーバーのレオはホスピスに入所した女に強烈な腐臭を嗅ぎ取る。死を前にした人々の未練を断ち切る彼らの「仕事」が交わる時、思わぬ事態が巻き起こり――。近隣で目撃される人魂と連続放火に関連はあるのか。動物(の姿を借りた死神)の一人称というユニークな設定が秀逸なだけに、ハイファンタジーの世界に逃げ込まずに決着をつけて欲しかった。犬猿の仲ならぬ〝犬猫の仲〟のクロとレオのやり取りが、頬を緩ませる。2025/02/08
ワレモコウ
44
優しい死神シリーズ第3作目。第1作のゴールデンのレオ、第2作の黒猫のクロが今作ではバディを組んで戦う。大河と美穂の結ばれぬ恋から、邪悪なものと戦う様までが、涙と笑いで描かれている。このシリーズ、時々でいいから読みたいな…と思わせる作品である。2025/06/08
よっち
29
動物の姿を借りて人々を導いてきたゴールデンレトリバーの死神レオと黒猫の死神クロ。今度は未練を解決した人のために二人で協力する死神シリーズ第3弾。町で謎の人魂が目撃され、相次ぐ連続放火事件が発生する中、強い未練を持つ青年と出会ったクロと、女性の切ない思いを叶えようとするレオ。意外な場所で再会したレオとクロが直面する予想外の事態。2匹がこれまでの情報を共有して、それぞれが得意とするアプローチから事件解決に動き出す展開で、人の切なる願いを悪用した独善的な企みを打ち砕いてみせた新たな決意がなかなか良かったですね。2024/11/12
ひろ20
27
シリーズ3作目。 人間の未練を断ち切る為に、人間世界で霊的存在のレオとクロ。 今回は二匹で協力して解決する。 それに、今までは、普通の犬、猫のふりを続けていたのに、院長先生にバレてしまって、『とりあえず、気にしないことにしよう』ってレオが言う。いいの?とちょっと展開が違うんじゃ。 知念さんの作品は、医療の話あり、ファンタジーありでとても楽しめます。2025/02/13
ちゃあぼう
13
今作はレオとクロが手を組み難事件に挑む様相が描かれている。前半のレオとクロがそれぞれの出会った者の思いをかなえようとする姿がよかった。特にレオと院長のコンビがゆったりとした雰囲気を醸し出していてほっこりできました。後半のレオとクロが共に闘う展開はちょっとファンタジー的要素が強すぎる感じがした。もし続編があるなら1,2作目のようなレオとクロのそれぞれの単独で動き、窮地のところでレオ、またはクロが助けに入る展開を希望します。2025/03/26