出版社内容情報
南町奉行所の定町廻り同心・春野風太郎は、町の者から人気がある。歳は三十二で独り身。目は鋭いが、顔立ちはふっくらとして愛嬌がある。風太郎の元に土左衛門が上がった知らせが入る。駆けつけた現場で風太郎は野次馬の間に怪しげな色香を漂わせた女の姿を捉えた。この一件を風太郎は調べはじめたのだが……。人に優しく、悪に厳しい。新たな捕り物ヒーローが誕生! 人気時代作家・岡本さとるの渾身の書下ろし新シリーズ第一弾!
内容説明
町の者に人気の南町奉行所定町廻り同心・春野風太郎を手下の喜六が呼びに来た。喜六によると浅草寺の裏で蹲っていた女を保護したのだが、女は女衒に売られ、酷い目に遭わされていたところを必死に逃げてきたのだという。自分を逃がしてくれた姉が心配という女の訴えに応え、風太郎たちの探索が始まった―。人気時代小説作家の爽快な新捕物帖シリーズ、開幕!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
いつでも母さん
125
『居酒屋お夏』や『仕立屋お竜』の岡本さんの新シリーズが始まった。やぁやぁ、これは面白い感じ!人気と実力兼ね揃えた同心・春野風太郎が何だかほおって置けないタイプ(当方比)手下の喜六もナイスキャラ。次も楽しみにしたい。2024/11/07
タイ子
74
「春風捕物帖」の春風とは主人公の南町奉行所の同心・春野風太郎の略。この男なかなかのイケメン、刀は心影流、未婚。未婚てところが匂わせ気味で…。結婚して自由にならなくなるのが嫌なんだと。手下の喜六も独身。彼はちょっと女性が苦手らしい。風太郎の頼み事を軽く受けるのが小間物屋の礼次。彼らを中心に捕物が展開する。事件の内容も男女の愛憎、家族愛とかなかなか面白い。朝湯を楽しむ風太郎の前に図々しく入ってくる不埒な芸者のお松もいるな。これで役者が揃ったところで次回が楽しみ。もちろん、読みますよ~。2025/05/21
がらくたどん
51
たくさんの時代小説シリーズを持つ岡本さん。いつか読みたいと思っていたところに新規のシリーズ開始のご紹介を頂き渡りに船と♪主人公はイケメン・剣豪・独り者の人情家、南町奉行所きってのモテ男同心春野風太郎。そのモテ力の射程範囲は異性・同性・老若男女に及び時に咎人まで包括する全方向包容力なのでやたら忙しく嫌味を掻き消す人の好さが滲む。だから「春風」。青年同心が主人公だと世事に長けた老岡っ引きが子分に付く設定が多いが本作は手下も若々しく発展途上で春風の初々しさと危うさを醸し出す。起きる事件は機微に富み手練れの筆だ♪2025/05/26
真理そら
48
作者の新シリーズ。安定の捕物帖、あの手この手で楽しませてくれる。女っ気が足りない気がするのでお松さんの出番をもう少し増やしてほしい気がしないでもない。2024/10/09
chacha
10
爽快な新捕物帖シリーズ 岡本さんの描く主人公はいつも明るく粋な男が多い。同心・春野風太郎 イケメン。御用聞き 喜六。ともに独り者。小間物屋の礼次もいい男のようだ。なになに3人とも女にモテル?! でその男たちが事件を解決!とくると読み進めたくなりますね。悪い女が多く登場 それにつく悪い男も この展開は時代小説にはよくあること。「人ってものは、それぞれの生き方に理屈がある。そこをよく心得ておかねえと、何も見えてこねえよ」「生きて死ぬために生まれてきた」「そこに理由を欲しがるからいけねえのさ」2025/05/24