出版社内容情報
一片の死角なし。最大の敵、現る。無人のはずの工場で爆発が起き男が死んだ。現場に残されたパソコンから、国際テロ組織の指示による爆弾製作中の事故の可能性が浮上。警視庁がその線で捜査を進める中、花房京子が男の遺留品を辿り接触したのは、元公安の犯罪評論家としてメディアを賑わす角松麻由子だった。だが、週刊誌が角松と男の繋がりをスクープし、事態は予想外の方向へ。手練と技巧が冴え渡る倒叙ミステリーシリーズ!
内容説明
無人のはずの工場で爆発が起き男が死んだ。現場に残されたパソコンから、国際テロ組織の指示による爆弾製作中の事故の可能性が浮上。警視庁がその線で捜査を進める中、花房京子が男の遺留品を辿り接触したのは、元公安警察の犯罪評論家としてメディアを賑わす角松麻由子だった。だが、週刊誌が角松と男の決定的な繋がりをスクープし、事態は予想外の方向に向かい…。
著者等紹介
香納諒一[カノウリョウイチ]
1963年神奈川県生まれ。’91年、「ハミングで二番まで」で第13回小説推理新人賞を受賞しデビュー。’99年、『幻の女』で第52回日本推理作家協会賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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starbro
147
香納 諒一は、新作中心に読んでいる作家です。「刑事花房京子」シリーズを読み続けて4作目となりました。 安定の面白さ、「鉄の女」と言えば、英国初の女性首相 故マーガレット・サッチャー氏を想い出します。 https://www.kobunsha.com/shelf/book/isbn/97843341040162024/10/14
hirokun
43
★2 主人公と容疑者の知恵比べは非常に面白く読めせてもらった。主人公の筋読みは、素晴らしいものがあると思うのだが、現実の事件として考えた場合、容疑者の自白以外に物的証拠はあるのだろうか?裁判において自供を覆された場合、正に冤罪事件につながりかねない怖さを感じてしまった。作品中の重大な部分を読み飛ばしていたのかもしれないが、こんな事を考えながら読んでいるのは私だけだろうか?2024/09/16
rosetta
33
花房京子シリーズ最新刊。鉄の女と呼ばれる元警察官の女性コメンテーター。その渾名は辛辣なコメントのせいだけではなく、自らを守る細心の備えの故であった。麻薬取引の罪でアメリカの刑務所に12年も収監され出所して日本に戻ってきた男が廃屋で爆死する。環境テロ集団のメンバーとして爆弾製作中の事故かと思われたが…相変わらず京子が独自の推理で犯人を追い詰める様は、最初から犯人に疑いを持っていることからもコロンボを連想させる。今回はちょっと推理に強引さを感じた2024/10/20
糸巻
29
〈刑事花房京子シリーズ〉第4弾。アメリカで12年服役していた男が帰国し廃工場の爆発に巻き込まれ亡くなった。状況証拠から自らが作りかけていた爆弾の暴発が原因と見られていたが…。シリーズ既刊は未読だが気になっていた作品だったので読んでみたら好みだった。なんていっても倒叙ミステリ&女性刑事が良い(福家警部補を思い出す)。元公安で売れっ子コメンテイターの鉄の女を相手に犯罪を立証する事が出来るのか。地道な証拠収集と聞き込み、そこから閃く逮捕への道筋が格好いい。既刊本も読んで花房京子についてもっと知りたくなった。2024/09/06
カリン
18
何時も乍らコロンボ的推理と解決。元々がコロンボを目指しているのだから全体のトーンは変えようもない。それはつまり、勝ち気で人に弱みを見せたくなくて頑張ってきた人が、ちょっとした行き違いで罪を犯してしまうということ。今回も「鉄の女」の鉄壁のアリバイが一つづつ崩されていくが、悲しみの残る結末となるのはお馴染みか。2024/11/09
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